ミッション実現までまだ0.1号目。多様なステークホルダーと新たな時代の民主主義を模索し続けたい|PoliPoli 倉田隆成
みなさまこんにちは。株式会社PoliPoli CTO で行政事業統括の倉田隆成(@amnosmusic13)です。
PoliPoliは、2月2日に資金調達をお知らせしました。
ちょうど5年目を終え、6年目となるタイミングでの資金調達リリースとなったことを感慨深く思っています。
一方でこれまで自分自身の歩みや、行政事業の現在地について発信することは多くありませんでした。
そこでこの記事では、少しでも多くの人がPoliPoliが取り組んでいることに関心を持ってもらえるように、PoliPoli創業までのストーリーや、現在私が事業統括として運営する行政事業の取り組みを中心にお伝えします!
PoliPoliが目指す行政機関との政策共創ができる社会の姿について少しでも知っていただければ幸いです!
PoliPoliを起業するまで
大学に入学した当初から、学生のうちには起業することを決めていました。さまざまビジネス領域を漁っていたところ、どうせ若い頃からチャレンジするならあまり多くの人がチャレンジしたことのない領域に挑戦したいと思っていました。その中で浮かび上がってきたのが政治や行政の領域です。
政治や行政それ自体には高校生のころから関心がありました。特に大阪府における政治や政策動向には注目しており、国と地方の関係やこれからの統治機構のあり方がどうなるのか、高校生ながらさまざま思いをめぐらせていたことを覚えています。
今あるシステムも、テクノロジーや新しい発想によってよりよくできるのではないかといった発想をもったのもその時が最初です。
共同創業者でPoliPoli代表の伊藤とは大学のクラスメイトとして出会いました。多くのビジネスイベントに出席して、さまざまな方と出会いながらビジネスを始めるチャンスを窺う日々が続きました。
その中で出会ったのがもう一人の共同創業者の山田です。イベントで何度か顔を合わせるようになり、話す中で同じ大学・学部であることを知り、よく話すようになりました。
3人で会社をやろうとなったきっかけは慶應義塾大学主催のビジコンに参加して、ビジネスアイデアを考えた時です。
当時(2017-2018年ごろ)は仮想通貨やブロックチェーンが新時代のテクノロジーとしてちょうど日の目を浴びていた時代でした。この技術を使えば、これまでとはまったく異なる社会を作れるのではないかと夢やロマンを感じていましたね。
現在、PoliPoliが提供するサービスの中では仮想通貨やブロックチェーン技術は使っていません。しかし、新たなテクノロジーの力でこれまであまり誰もが取り組んでこなかったビジネス領域に取り組むことそれ自体への勇気やアイデアを得たことは間違いないです。
行政事業のこれまで
私は現在行政事業のトップとして『PoliPoli Gov (β版)』(以下、PoliPoli Gov)の開発や運用、またPoliPoli Govを起点としたさまざまな政策共創に取り組んでいます。
PoliPoliの行政事業部は、PoliPoli Govを、2021年10月に運よくデジタル庁さんに導入いただいたことが始まりです。そこからさまざまな中央省庁や地方自治体に導入していただきました。
サービス開始から1年少しが経過しましたが、正直やりたいことの10分の1もできていません。登山で言えばまだ0.1号目といったところでしょうか。
もちろん、さまざまな行政機関に導入いただいたことそれ自体は大変光栄なことで、私たちのミッションを行政分野でも推進できることにワクワクしました。
しかし、サービス開始の際に理想として描いた状態には現時点ではほど遠い状態です。厳しい現実ですが、今の日本ではただプラットフォームを開発し、提供しさえすれば政策共創がどんどん進むような状態ではありません。
現状は私たちの掲げる「政策共創」のコンセプトが、これからの社会においてどのような重要性を持っているのかを十分に発信できていないと思っています。
行政とさまざまなステークホルダーがプラットフォーム上でつながり、よりよい政策をつくるために協働していくことが理想です。
理想と今ある現実のギャップを埋めるためには、私たちがさまざま能動的に行政機関や国民側に働きかけ、政策共創の必要性を訴えていかなくてはなりません。
私たちはまだまだ小さな企業です。圧倒的にリソースが不足しています。人手も時間的な余裕も予算の規模も大きくありません。その中で、政策共創の機運を社会の中で高めていくことは非常に大変なことです。
だからこそ今回の資金調達は大きな希望でもあります。通信大手三社と協力し、強いパートナーシップを構築できればと考えています。
行政事業のこれから
悲観的な言葉を並べてしまいましたが、事業それ自体は着実に進化しています。以前はコメントを集めることそれ自体にも四苦八苦していましたが、数多くの施策を試しては止め、試しては止めを繰り返すことで少しづつ多くの人に参加してもらえるようになりました。
オンライン上の意見募集だけではなく、オフラインで直接行政機関に意見を届ける座談会も続々開催し、多様な手段での政策共創のあり方を、社会に対して示し始めることができていると思います。
言い換えれば、PoliPoli Govが新しい公聴の手段になりうる手応えを感じる瞬間が増えてきたということです。
今後も多くの施策を検証し、多様なステークホルダーが「行政に対して意見を言うこと」自体に意味があることだと思える社会を作りたいです。
またテキスト以外での意見収集のあり方もこれからの時代は構想されてしかるべきであると感じています。現在のあらゆる意見収集の手段は「言語化」を前提のものとし、また自明のものとしています。言葉になった意見しか収集されないという構造がそこにはあります。
しかし、テクノロジーの発展はその構造を自明なものとはしなくなっています。人々が無意識の中で思うことや言語化しない部分に、本当のニーズや民意があるかもしれません。テクノロジーを活用することで、言語化されていない意見や意思をより把握し、意思決定に利用できる未来が待っていると思います。
その未来に備えるためにも、私たちは現在の意見収集のあり方を一歩ずつアップデートすることに取り組むべきと考えています。プロダクト自体をよりユーザーフレンドリーするプロダクトドリブンの価値提供を、ここ一年では模索していくつもりです。
使命感をもって事業運営していきたい
日本が今の民主主義の仕組みを維持し続ける限り、どのような理由や文脈づけをするのであれ、政策共創はこれからの時代も求められ続けるでしょう。
人口が減少し、税収が減ることももはや避けられない未来として私たちの前に横たわっています。その中でもせめてより速い意思決定と政策実行を可能にするコミュニケーションハブが求められていると思います。
その社会的な要請に対して、運よくPoliPoliはサービスを提供することができています。その縁に感謝しながら、使命感を持って事業を運営していきたいです。
ミッション・ビジョンを実現し続けるために
各所で言われていることですが、政治・行政領域でのビジネスはやはり成功モデルも少なく非常に先の見えない領域です。また現在はスタートアップ冬の時代とも呼ばれるような厳しい時代でもあります。
であればこそ基本に忠実に経営していく必要があります。投資するべきタイミングをしっかりと見極め、支出するべきポイントを厳選することです。足腰の強い経営をすることで厳しい時代を乗り越える組織ができあがると思います。
新しい政治・行政の仕組みを作り続けるためには、社会やメンバーに対して今あるビジョンの先をいかに見せられるかが勝負だと思っています。
10年後をどうするのか、50年後をどうするのか、100年後をどうするのか。時間軸ごとに理想の姿を掲げ、説得感をもって語ること。
このことを何よりも大切に事業を運営していきます。
採用情報のお知らせ
PoliPoliの行政事業部では、行政機関の意見募集や政策共創に伴走する事業開発メンバーや事業責任者(COO候補)を絶賛採用中です。
政治・行政という「見えない領域」をともに開拓し、政治・行政の新たな仕組みづくりの実現に向けて、強力に事業を推進できるコアメンバーを探しています。詳細は下記をご覧ください。
🌸 PoliPoli採用情報サイト🌸