警察官の仕事ってどうなの?(決裁で寿命を削る)
警察官が有給休暇を取る時、決裁が必要です。
決裁の取得がどんな感じなのか、書きました。
けっこう大変なんですよ。
有給休暇の決裁
巡査の場合、有給休暇の決裁は副署長まで必要です。
直属の上司(巡査部長)、ブロック長(警部補)、地域統括(警部)、更に警視である地域課長、警務課長、副署長の決裁を取得します。
実は有給取得の決裁で心をへし折られることがあります。
決裁を取ろうと思っている日は長丁場の戦いになるらです。
地域統括(警部)
さて、いつ夏休みを取るか、上司と打ち合わせが済んでいれば地域統括(警部)までの決裁はスムーズです。
なんせ一緒に当直してますから、人間関係もあります。
何より当直中に隙を見て決裁をお願いできます。
次の地域課長以上(警視)から難易度が上がります。
地域課長(警視)
まずこいつらは階級が警視のため、基本的に当直をせず、普通の公務員のように平日の朝から夕方までしか勤務しません。
そのため非番が土日の場合はそもそも会うことができません。
平日に決裁にチャレンジしようかなと思うと前日の当直が忙しくて、一睡もできなかったりします。
しかし、あまり先延ばしにはできません。
早めに加減有給の決裁を取らないと、そもそも予定の日に決裁が間に合わなくなるかもしれません。
帰って寝たいのをグッとこらえて決裁に向かいます。
しかし、実は地域課長はそこまで大きな問題ではありません。
なぜなら地域課長は基本的に地域課の部屋にいるからです。
恐縮な態度を見せつけ、地域課長のくだらない言葉に付き合います。
「おっ、あそこの旅館に泊まるのか?俺も行ったことあるぞ。あそこはなぁ……」
これで地域課長まで決裁を取りました。
あと2人です。
時間は午前11時半。
急がなくては。
警務課長の元へ向かいます。
警務課長(警視)
警務課長は警務課の部屋にいれば問題ではありません。
警務課の成績になるから基本、機嫌が良いのです。
他の課の人間が決裁で並ぶことも少ないです。
あっさりと警務課長の決裁を取ります。
機嫌良く、「お、まずは1当直か。」等とほざきます。
「2当直取れるわけねーよ。お前も警察官なら分かるだろ。」と内心思いますが、1当直でも無いよりはマシです。
さぁ次は最後にして最大の難関、副署長です。
副署長(警視)
こいつがなぜ厄介なのか。
地域課長や警務課長と違い、こいつのもとには様々な課の人間が並ぶのです。
刑事課、生活安全課、交通課、地域課などが決裁で並び、いつも10メートルくらいの行列になります。
その列に加わり決裁の順番を待ちます。
しかし、副署長や警務課長といった警視はたかが警察官のくせに一応公務員的な定時の時間に沿って仕事をします。
そのため、昼12時になると1時間の休憩になるのです。
ですから行列は解散し、1時間待たなければなりません。
ここで当直明けの私は心折れることが多かったですね。
特に、あと1人、2人しか前にいない状況なのに昼休みになり、列が解散するとかなりダメージがでかいです。
あと少しで午前中に決裁取って帰れたはずが、また昼イチで並び直しです。
非番の身体は悲鳴をあげています。
心が折れ、決裁を諦めて帰宅することもあります。
自分のロッカーの前に座って寝て、気づいたら午後2時なんてこともありました。
正直、この有給の決裁は非番が土日の場合や当直で寝れなかった場合、副署長の決裁で心が折れた場合などに備えて1週間くらい余裕を見ておかないといけませんでした。
たかが紙1枚の決裁のために1週間。
非番の身体に鞭打って決裁に走り回っていると、「有給休暇を取らないほうが寿命減らないんじゃないか」とよく思ったもんです。
今回は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。
ちなみに今回登場した統括や課長の名称・階級は署の規模によって変わります。
あくまで私がいた警察署の例ですのでご了承ください。