警察官の仕事ってどうなの?(霊安室に運ばれた先輩達)
今回は私が警察官をしていた時、お亡くなりになり、署の霊安室に運ばれて来た先輩警察官の話です。
霊安室
警察署には霊安室があります。
事件や変死でお亡くなりになった方を一度警察署へ運び安置します。
必要な捜査や調査が終了次第、ご遺族の方へ引き渡します。
ここに同じ警察署で一緒に働いていた警察官が運ばれてくることがあります。
霊安室に運ばれた先輩たち
私は警察官を7年やりました。
その7年で知ってる警察官が署の霊安室に運ばれてきたのは3回。
つまり3人です。
もちろん3人とも顔を合わせたことがある人達です。
よく話した人もいます。
なぜお亡くなりになったのか。
殉職ではありません。
警察官の殉職というものは私が現職の間、身近では見たことも聞いたこともありません。
ところで、殉職とは犯人に殺された場合だけではありません。
交通事故現場で交通整理中に事故に遭って殉職した場合や災害が原因の場合も含みます。
最も多いのは交通整理中の殉職らしいですね。
何台もパトカーが停まっていて、そこに大破した自動車などがあると運転中でもつい目が行ってしまいますよね。
でも、大きな事故現場では必ず警察官が交通整理をしています。
交通整理中の警察官に脇見運転で突っ込んでしまったりしないようにくれぐれも気を付けましょう。
さて、3人の死因は全員自殺です。
今回はそのうちの1人についてご紹介します。
30代・警部補・地域課
うち一人は地域課の30代の警部補Aでした。
刑事課の刑事だったんですが、捜査手続で違法行為をしてしまい、懲戒処分を受けて地域課に異動になっていました。
その3か月後のことでした。
同じ署にいたら刑事課のほうで問題になっているらしいというのは何となく耳には入ってきていました。
噂話レベルでしたがその警部補が自分のいる地域課に異動して来たということで、その問題が事実だったんだなー、というのが実感されました。
でもまさか、自殺するなんて。
問題を起こした専務員は地域課や交通課に異動になりますが、その話は今回は省略します。
刑事課にいたときは何度か書類の訂正で呼ばれたことがあり、とにかく恐い人だな、という印象でした。
しかし、地域課で一緒になってみると豪快な笑い方をする人で意外と気さくな面があります。
柔道をずっとやっていたそうで、いかにもそんな感じの性格でしたね。
刑事課にいた時と違って話かけられないような雰囲気ではありませんでした。
署長室で!?
この警部補、首吊り自殺をしたんですが、首吊りをしたのはなんと警察署の署長室です。
遺書もあり、処分に対する不満と絶望が書かれていたそうです。
警部補の捜査手続き上の違法行為、実は事前に署長に指揮伺いをしたのに、この警部補だけが懲戒処分を喰らっていたようなんです。
それに対して恨みを持っていたということでしょう。
交番勤務の当直中、夜中に署長室に入り込み、朝に発見されました。
自殺の場合、刑事課が臨場するのですが、朝、署長室に刑事課員が臨場するという異常事態でしたね。
今回は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。