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留置場ってどんなところ?(監視し合う被疑者と看守)

留置場では看守が留置人を24時間体制で監視しています。

しかし、留置人も看守を非常によく観察しています。

どちらがよく相手を見ているのか。

是非読んでいってください。


ヒマ人達


留置人は我々看守が思っている以上にこちらを観察しています。

留置人というのは基本何もしないで房にいるだけです。

刑務所のように作業をさせられるわけでもないですしね。

だから留置人はみんなでたまりません。

差し入れの雑誌や本を読んだり、お菓子を食べ続けたり、寝たりしてひたすら時間が経過するのを待つのです。

暇すぎて、刑事からの取調べを心待ちにする奴もいます。

そんなヒマでたまらない彼らは看守が仕事をしている様子を暇つぶしに見ています。

看守は常に見られている


ある時、靴のほこりが少し気になったので留置場内の事務室で靴磨きスポンジを使って靴を拭いたことがありました。

事務室内部は房から絶対見れないので、私の靴を見て留置人は気づいたのです。

「オヤジ、靴きれいになったね。」と言ってきたときはゾクッとしましたね。

やはりこいつらはよく見てるな、と思ったものです。

見るだけではありません。

匂いにも非常に彼らは敏感です。

五感を研ぎ澄ませる



留置人は五感を研ぎ澄ませてヒマつぶしをします。

私は自分の車の中に芳香剤を置いていました。

出勤の日はズボンだけは制服のままで車で出勤していたので、その香りが制服のズボンにわずかに移っていたようなのです。

私が近づいてくると鼻の良い留置人は私が房の近くに来たことが匂いで分かるんです。

どの看守が近づいて来たか、同房の留置人同士で当てっこして遊びます。

当直中、だんだん体臭が強くなる後輩がいました。

当直中はシャワーなんか浴びれませんから仕方ないです。

汗だくになって仕事することもよくありますから。

後輩が近づくと留置人はをつまんだり、遠回しに表現したりしてフザけます。

分からないようにやっているつもりなのでしょうが、バレバレです。

こういうのにいちいちキレたら留置人の思う壺なので、全て無視します。

統括官の指示で看守がインスタント焼きそばを食べるのを禁止されたことがありました。

「場内に匂いが広がるから羨ましくなる」と留置人に言われたので配慮したんです。

逮捕されたので全て自業自得なわけですが、とにかくヒマなんです、留置人は。

今回は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。

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元警察官日本語教師
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