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警察官の仕事ってどうなの?(警察官の◯◯は保護されない)

突如消滅した私の警察官時代の有給休暇の話です。

是非読んでいってください。



公務執行妨害からの…


前にも書きましたが有給休暇の決裁は命を削ります。 
 
途中で休暇の取得を諦めようかと思うくらいです。

そんな決裁が無事終わり、有給休暇の取得が確定します。

さぁ、旅行会社で申し込みをして、旅行の準備です。

しかし、警察官の有給休暇、残念ながら絶対に休めるとは限りません。

明日の非番、帰った瞬間から休暇が始まると思って、当直中油断していると足をすくわれることがあります。

さて、公務員は誰しも公務執行妨害の客体となることがあります。

しかし、警察官は他の公務員よりその可能性が高いと思います。

酔っ払いや犯罪者などを相手にすることが多いですし、制服を着ているので一目瞭然で公務員と分かります。

被疑者からしたら「公務員だと思わなかった」なんて言い逃れは難しいんです。

しかも、被疑者は警察官の目の前にいるわけだから、警察官からしたら取りこぼしも少ないです。

以前の記事で書きましたが、私は交番勤務員の時、公務執行妨害で被疑者を逮捕したことがあります。

夜12時頃、カラオケ店からの通報で店の通路に酔っ払いが寝ているという内容でした。

部下と臨場して、寝込んでいるおっさんを発見し声をかけます。

その後、私はこのおっさんに頭突きされてしまったのです。

公務執行妨害で現行犯逮捕ですね。

私も翌日から休暇に入るということで多少油断していたのですが、悪いのはもちろん被疑者です。

しかし、話はこれで終わりません。

俺の休暇は保護されないの?



逮捕したら48時間以内に検察官に送致しなければいけません。

その後、勾留するかどうかが決まります。

公務執行妨害の被疑者を48時間以内の「署長指示釈放」ってあまりないでしょうから、10日の勾留は確定です。

それが何なんだ、と言われてしまいそうですが、この時の私にとっては大問題です。

翌日から休暇で旅行に行く予定が消滅です。

そう、ゲームオーバーです。

刑事課の捜査書類作成に協力しなければいけないからです。

今回の事件では私は公務執行妨害の客体です。

なぜ被害者と書かないかと言うと、公務執行妨害の被害者はであって、人ではないからです。

保護すべきは公務そのもの、ということですね。

まどろっこしい書き方になりましたが、被害者でないからと言っても刑事課が調書を取ったりする相手は公務を妨害された警察官からです。

なので被害者みたいなモノだと考えて大丈夫です。

調書の中でどのような状況だったのかなどを明らかにします。

もちろん私の供述から調書を作成します。

他にも、実況見分調書などの書類作成に私の協力が必要です。

こうして、夏休みの5連休を使った旅行の予定は突如消滅します。

「保護すべきは公務である」ということですが、私の旅行は保護されません。

休暇はなくなり、お金を貰えるどころかキャンセル料まで飛んで行きます。

何も悪いことはしてないのに。

もちろん誰に文句を言えるわけでもありません。

これが警察官という仕事なのです。

いや、でも、やっぱりキャンセル料は被疑者に出してほしかったです。

今回は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。

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元警察官日本語教師
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