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《陳列》森崎萌黄
名古屋芸術大学の卒業・修了制作展はスタンプラリーを実施していた。スタンプを集めるための順路は、そのまま展示を見る順路として重宝した。
森崎萌黄さんの《陳列》は展示スペースの部屋全体にシルクスクリーンの肉が文字通り陳列されていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1708677127208-guVldwp9od.jpg?width=1200)
印刷された肉、形のバリエーションはいくつかあるが、版画であり、複製されている肉である。すぐさま、3Dプリント肉に思考が飛ぶ。工業製品として工場で肉が生産される。よい霜降り具合をプリントすることで、食味もよくなる。原材料は大豆などの代替肉や、培養した肉が用いられる。
培養肉は、同じDNAを持つ肉が大量に生産されることを意味するだろうか。だとすると、森崎さんの複製技術を使った肉を陳列する作品が痛烈に響いてくる。
今、まさにプリントされた肉、いくつかのバリエーションがあり、個体差があるのは、培養肉をより自然に見せられるようにするためか。
![](https://assets.st-note.com/img/1708677399760-Ms4rRhX39j.jpg?width=1200)
単純に3Dプリント肉を忌避するのではない。家畜の飼育は温暖化効果ガス排出に加担しているし、食料問題は度々取りざたされる。培養肉は遺伝子組み換えとは違った事実を投げかける。均質化について、どのように考えるのか。この作品は、そうしたことを可視化している。造形技術の選択と見せている作品、この作品が提示している問いかけに痺れた。
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