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ウクライナのNFT博物館

いくつかの媒体で流れていたニュース、ウクライナがNFT博物館を使った寄付を講じている。NFT博物館は暗号資産の送付やNFTの購入を通じた寄付であり、その寄付を更に進めた格好となる。第一生命経済研究所のテキストを読んだメモを書いておく。

画像付きでNFT博物館を紹介しているが、リンクまで画像なので、ここに貼っておく。

NFT博物館はウクライナ政府が運営している。

ロシアのウクライナへの軍事進攻における出来事をアーティストが描いた103件のデジタル絵画、デジタルアニメーションがNFT作品として公開されており、インターネット上で閲覧できる。作品それぞれには、描かれた出来事の公式情報源も明確に記載されている。

NFTとして記録をとる。これはデジタルアーカイブとしての可能性が見える。投機的な意味合いが強いNFT、そこに公的機関が根拠となる情報までも記録する。NFTを購入した人は寄付をできるとともに、その事実を世界に広めることもできる。

情報が拡散されることに価値があると示したのはセス・プライス。

新しい価値の生成だろうか。


NFT博物館には、事象とその日時、何がその事象を報道したのかが記録されていて、そのエピソードに関連したデジタルアートが提示されている。

何が事実だったのか、ここにもオラクル問題が垣間見えるが、情報源を示すことでそれを回避しているように見えた。

NFTは、二次流通することでウクライナに1割が還元されるようにスマートコントラクトが記述されているよう。

今回のNFT作品は、NFT市場において売却したい人から購入することも可能である。購入代金の10%がウクライナ政府に寄付されるデジタル契約が結ばれており、一過性に終わらない持続的な寄付につながる支援と言えるだろう。

昨年からNFTとデジタルアートの結びつきがとても強くなったが、スタートバーンは作品証明書としてNFTを捉えていた。ブロックチェーン上に作品証明書を保存することで、改変不可であり、所有権を移転する際にスマートコントラクトによる作者への還元を行うとしていた。


今回ウクライナ政府が世界で始めて展開した「NFT博物館」は、従来では考えられなかった「デジタル空間に永遠に刻まれる公式情報とアートの融合」という世界を実現している。世界で発生する出来事について時系列で分かりやすくその思いを伝えられる

ウクライナは世界でも有数のプログラマの層が厚い国、そうした国だからこそ自分達の身の回りと困り事とをデジタルで結びつけることができるのだろう。

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Tsutomu Saito
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