学習鑑賞@現美
ゼミ生同士で企画した学習会のグループ鑑賞に参加するため、清澄白河の現美にやってきた。長い改修を終えてオープンした現美。改修前も後も含めて初めての訪問だと思う。
展覧会は、ミナペルホネンのつづく、ダムタイプのアクション/リフレクション、エコー アフター エコーとコレクション展の四本立て、2020オリンピックのポスター展示もあるため、なんともボリュームの多い展示内容。
鑑賞の時間は、人それぞれだから、個別に展示を見て回る。みんなスマホ持っているから、離れていても電話ではなくてリアルタイムにコミュニケーションができる。こうした鑑賞体験って面白い。
一番人気はミナペルホネンの展示、ブランド開始の周年記念も兼ねている。四半世紀の歴史、今後も続いていくブランドということで、「つづく」と題されている。テキスタイルのデザイン、こだわり、そうして作られた服、均整の取れたスタイルというよりは、華美にならない普段着としての提案。(結構な上代なんだけど…)直しながらも、一生付き合っていける。そんな服作りを提案しているのだけど、子供服って、すぐ小さくなるよね、なんて思ってみたり。まぁ、子から孫へ引き継ぐという考え方もあるかな。それこそ僕の研究テーマのひとつでもある再魔術化だ。
デザイン・モチーフも含めた展示は見ごたえがあった。ただ、ある程度予想もできたことであり、デザイナーならではの分かりやすい展示でもあった。あと、ブランドのファンが多かった。
アパレルから、家具、ホテルにまで事業展開をするらしい。やはり、アパレルビジネスはライフスタイルに接続していくのでしょうね。
ミナの次はダムタイプ展を鑑賞する。
メディアアートの先駆け、ゼミの同級生から聞いたのだけど、古橋悌二の存在感が大きいということ。パフォーマンスが中心のアーティストなのだけど、映像作品としての編集、舞台装置の展示など、アーカイブとしての要素が強い。
僕としては、全く知らないアーティストだった。こういう時にゼミ生と一緒に学んでいるので助かる。現代アートは、とかく人の名前を識る必要がある。僕は人の名前が覚えられないために、苦労している。
展示の冒頭にあった四方の壁にプロジェクションする作品が圧巻だった。言葉、関連する言葉。線が音楽にあわせて流れていく。壁面全体に現れる言葉、その動き。ひとつひとつの言葉と線にメッセージが込められているのだろうけど、そうしたものを抜きにして、没入感が得られる。視覚が、身体機能に与える錯覚だろうか、ほどなく眩暈を覚えた。
そのあとの映像作品を鑑賞して、感じたのは、鑑賞者に対する介入の要求。なんとも不思議な表現になっているのだけど、”かまってほしい”。そうしたメッセージを受け取った。展示会の名前『アクション+リフレクション』というのは、鑑賞者への反応を求めてのことだろうか。
ゆっくりと映像作品を鑑賞したいとも思ったけれど、ゼミ友達が待っているだろうことと、強い光に頭痛がしてきたために退室する。
最後はリニューアルオープンを記念したコレクション展。
オノ・ヨーコのYESを初めてみた。
小展示室にあった草間彌生の作品群。ボートもあった。他の作品には無い力強さ、インスピレーションの強さだろうか。あるいは作家自身の残留思念。そうしたものが作品に力を与えているのだろうか。展示を見ることも大事だけど、アーティストの研究に、そろそろ着手するべきだろうと思う。