《Shape of Human》辰巳寧々
東京藝術大学の絵画棟、卒展では大学院の展示がされている。学内展では学部の作品がアトリエスペースそれぞれで展示されていて、展示空間をどのように構成するかが見られた。東京都美術館に移って、よくなる展示と少し迫力が無くなる展示とがあり、学内展はやはり見ておいて良かったと思う。そして卒展では大学院の修了制作の作品発表がある。学部とは違った展示空間の作り方は、かなりの見応えがある。
辰巳寧々さんの展示は壁面だけでなく床も展示空間だった。透明な板が絵画の上にあり、靴のままOKという。少し抵抗感がありながらも絵画に囲まれる体験ができた。
様々な表情の顔がこちらを向いている。そんな状況ではあるが、目が合うわけではないためか緊張感はない。
様々な顔、タイトルの《Shape of Human》から、Wikipediaの議論を思い出していた。
数による魔力、それぞれの作品をみているうちに、自動車事故のモチーフを見つける。
アンディ・ウォーホルの《Silver Car Crash》のオマージュだろうか。そうなると他の作品も参照元があるのだろうか、と気になってくる。もし、今までの美術史の参照だとしたら、新たな人の形が提示されるだろう、そんなことを思った。
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