《心に月を蔵して》松島功典
イイオ食堂を出たロビーの大きな壁面に松島さんの《心に月を蔵して》が展示されていた。とても大きな作品は特別な存在感を放っていた。
構造版にベニヤを支持体にしているよう。
神が去った後の宗教画、新たな二千年紀のイコンだろうか。
最初に見た印象から「キリストの昇天」を連想した。5mくらいはあるだろうか、聖堂に入り、この絵を見上げた時の荘厳さに跪きたくなるだろう。放射状に広がる光は、曼荼羅をも連想させる。ただ、この作品の中央のモチーフは抱きあう二人だと思われ、宗教画ではないのだろう。やさしく包み込むお互いの手は愛を想起させる。
作品の大きさによって神秘性をまとう。簡略化された顔は自身を投影する鏡となるだろう。ステートメントからは循環、心臓を示したかったのではないだろうか。
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