《無題》坂本紗菜
佐賀大学の卒業・修了制作展、坂本紗菜さんの作品はひときわ目を引いた。
カオスであるが、きちんと壁に陳列されており、矛盾を感じさせる。
これは何か?
陳列されているような展示はお店を連想するし、現に値札らしきものも掲出されている。
どうやらグミの販売棚を表現しているのでしょう。マテリアルはミクスとメディアとだけ記載されており、何でできているのかは想像するしかない。まさか、本当にグミを作っているとは思えない。
人の顔(口と鼻の間に目がある)のパッケージから溢れているグミは人型、パッケージの中身は赤黒く、人の顔から猟奇的な雰囲気が高まる。
タイトルは《無題》であり、ステートメントなども用意されていない。鑑賞者に解釈が委ねられるが、カオスな様子は混乱をもたらす。意味を見出すことを放棄させる狙いだろうか。
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