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「物語を体験する」へのこだわり。『インサイドブルー』誕生秘話 ―― シナリオ/ゲームデザイナー 鈴木禄之 × ゲームUXデザイナー 目黒水海
※この記事は、ゲームマーケット2022春に発売した、「INSIDE BLUE OFFICIAL BOOK」内のコンテンツ「対談:「物語を体験する」へのこだわり。『インサイドブルー』誕生秘話」です。
記事単体でも購入できますが、マガジンでの購入がお買い得でおすすめです。
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※記事内にはネタバレを含む部分がございます。
必ず、『POLARIS-02: インサイドブルー』をプレイしたうえでお読みください。
ストーリーゲームPOLARISの新作『インサイドブルー』。
マーダーミステリーとも違った「ストーリーゲーム」を
生み出すまでの制作秘話を
シナリオ/ゲームデザイナー 鈴木禄之 と
ゲームUXデザイナー 目黒水海 の
特別対談でたっぷり語ります。
『RED LINE』を経て生まれた「ストーリーゲーム」の誕生。
――「インサイドブルー」の制作はどんな風にスタートしましたか?
鈴木 ゲームマーケット2021秋が終わってすぐ、全会一致で「春のゲームマーケットで新作を出す」と決めました。
レーベルを立ち上げて、ありがたいことに沢山のお客様に知って頂けたからには、間髪を入れずに2作目を届けたほうが良い、と考えたのです。
しかし動きがないまま年が明け……。元日、水海さん(目黒水海)から「制作スケジュールがやばい!」と連絡を受けてすぐ、企画・プロデュースの林くん(林健太郎)と2人で打合せを行いました。
様々なアイデアを話し合ったのですが、その時、林くんがやりたいと言ったのが「高校生の青春と恋愛をテーマにした、マーダーミステリーじゃない作品」でした。
マダミスとは異なる体験、は僕も同じことを考えていたのですが、個人的に、青春恋愛にピンときていなくて(笑)。勿論、青春ものも甘酸っぱい恋愛ものも大好物ですけど、POLARISは「なりきり遊び」ですから。高校生になりたい・戻りたい、という激情が僕の中になくて……。「やりたいか~~?」ってずっと言ってました(笑)
なので最初に作ったプロト版は、舞台は架空の大陸と王国!お姫様と王子様の恋愛・友情・大事件!……なんてストーリーでした。
ギミックとして光る部分もあったのですが、肝心の恋愛が難しかった!要望はあくまでプレイヤーの「自由恋愛」だったので誘導もあまりできず……。2時間で生の恋愛感情を揺さぶるハードルは高かったです。
ただこのプロト版で、以前からやりたかったモブキャラを大量に出す、というアイデアを試せたのは大きかったです。僕がRPGやシミュレーションが好きということもあり、モブキャラのディティールによって世界観が立体的になるあの感じをアナログゲームに落とし込みたかったのです。この要素は『インサイドブルー』にそのまま引き継がれています。
目黒 プロト版の時から『インサイドブルー』のオオババのような「モブだと思ってたキャラクターが実はストーリーの鍵を握っていた」というギミックは面白いね〜!と盛り上がりました。ゲームマスターがいなくても、そのギミックがあることで緊張や驚きのフックになるなぁ、と。
あと、マーダーミステリーでは恋愛要素が入ってることがすごく多いんですが、ひとつの要素としてある分にはコミュニケーションのツールとして大きく機能するけど、恋愛だけが議題になってしまうと、人によっては気恥ずかしくなる、ということもプロト版の発見でしたね。プロト版のとき、すごい照れちゃった(笑)。
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