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インサイドブルーのデザイン ―― アートディレクター・グラフィックデザイナー 岡本太玖斗


※この記事は、ゲームマーケット2022春に発売した、「INSIDE BLUE OFFICIAL BOOK」内のコンテンツ「インサイドブルーのデザイン」です。

記事単体でも購入できますが、マガジンでの購入がお買い得でおすすめです。

※記事内にはネタバレを含む部分がございます。

必ず、『POLARIS-02: インサイドブルー』をプレイしたうえでお読みください。




前作『RED LINE』のデザインは完全に手探りの中で進んだ。
マーダーミステリーというジャンルを知りもせず、もっと言えばそういった類のボードゲームで遊んだことも全然ない状態から始まり、カードってどうやって使うの?ブックの大きさってどのくらい?文字のサイズってどのくらいがちょうどいいの?……色々な局面で都度、答えを出し直さなければならなかった。
ボードゲームのなんたるかをよく知らなかったおかげで、いままでのどんなゲームとも違う、ポラリスとしか呼べないものを作るための一歩を踏み出すことができたという自負はある。

今作は、その中で得た気づきや、ひとまず定着はさせたものの納得のいっていなかった部分を一つ一つアップデートする、いうならばリベンジのような感覚で取り組んだ。
前作で作った大きなフォーマット、たとえばPの形をした箱やその封をするシール、ゲーム全体の進行を司るモノトーンのカードと、ストーリーの世界観を描き出すカラフルなアイテム、といった部分は、ポラリスらしさを一層印象づけるためのルールとしてそのまま踏襲しながら、細部のブラッシュアップの積み重ねで全体をフレッシュに見せる。
前作では、ブランドとしてのデザインと作品のデザイン、それぞれの棲み分けを曖昧にしてしまったために、ブックやカードなどのアイテムをはじめ、作品に直接関係する部分のデザインが『RED LINE』の世界観を十分に表現しきれていない中途半端なものになってしまったという反省があった。
それを踏まえ、『インサイドブルー』では、まず初めにデザインのルールを定めることにした。

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