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その先の道

高校入学した5月末。
あと20日で進級できなくなると知り、私達はいよいよ他の道を探りはじめました。
「明日は行けると思う」

といいながら翌日さらに沈んだ様子で起きてきて、何もいわず、下を向いて、いつまでも支度ができない姿を見るのも限界だった。

「もう無理しなくていいんだよ」
と言ってはみるものの その先の言葉がみつからない。

他の私立に転校するのか。
近くの公立に行く事は可能なのか。
通信制高校にいくのか。

どれも全く未知の世界。誰に何を聞けばいいのか。

県の機関に問い合わせをしてみても、他の高校に自分で空きがあるか聞くしかないという。

そもそも 全日制の高校に転校したところで もしまた行かれなかったらもっと辛い思いをするんじゃないか。

何を基準に どうやって歩みはじめたらいいのかわからないまま過ぎていく毎日。
こんな時に相談できる場があれば救われたのにと心から思った。学校の先生から様々な提案をされてもそれをする事ができない毎日に、さらに追い詰められていく

今考えると、ただ学校に行ってないだけなのに。
まるで自分の子供の居場所が 社会からなくなったかのような気持ちがした。

自分達は難解な迷路のど真ん中にいたけれど私は思った。
学校にいかないだけで こんな風に悲しい気分で毎日過ごすのは絶対に間違っているって。

彼の人生はまだまだこれから。
自分は不登校の経験をしてないから怖いだけ。
自分達の価値観を変えないと この迷路にハマるだけだなって。


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