色川「一面の焼け跡で十代の性格形成期に焼け跡の中に突っ立っていたことが胸の中から消えない。家があって畳の上で生活していると思っていたけれど、ははァ、地面というものは泥なんだなとそのとき思った。建築物なんかは泥の上の飾りのようなものでほんのちょっとしたことで消えてなくなってしまう」
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