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夫のことが好きすぎて

私は夫が大好きだ。

ハッキリ言って愛しすぎている。

もう結婚10年目になるが、
付き合い始めから1mmも冷めてない。

それどころか、日に日に増していると言える。

出会って13年ほど。
日に日に増している愛とは、
どれほどのものか想像つくだろうか?

結婚し、夫婦となり、最上級であろう
愛の形になったワケだが私は足りていない。

もっともっと上の何かが欲しい。

例えば、
夫とさらに結婚がしたい。

重婚は罪になるが、
夫婦である2人がさらに婚姻届を出すことも、
やはり罪になるのだろうか。

夫と結婚2(ツー)がしたい。
3(スリー)も4(フォー)もしたい。
毎年したい。

夫と不倫がしたい。

夫と隠し子を作りたい。

夫の体内に入るか、私の体内に夫を入れたい。

体も魂も意識も一つになり、
一生を一緒に送り、
そして同時に終えたい。

夫の心臓が止まる時、
私の心臓も止まるようにしてほしい。

「来世も絶対結婚してね」と
夫に半ば無理矢理予約をしている。

「覚えてたらね」と夫は言う。

私は絶対に
この図々しい約束を来世も覚えている。

だけど忘れっぽい夫は
きっと覚えてない。

来世私は血眼で夫を探すだろう。

見つけた時には夫は違う人と
家庭を持っているだろう。
素敵な人だから。

私は夫を見つけた瞬間
叫びながら夫に掴み掛かり
「来世も私と結婚するって
約束したのに!!どうして!!!」
などと喚き散らし殴り暴れるだろう。

そしてきっと私は、
頭のおかしいやつとして、
映画の舞台になるような、
孤島の激ヤバ精神科施設に
ぶち込まれるのだろう。

来世はその監獄で、
死ぬまで夫の名前を叫び続けて
生涯を終えるのだ。

そうにちがいない。

来世が悲惨なモノになるのが
わかっているので
今、夫の顔を眺められているこの時間を
大切にしたいと思う。

正真正銘、私が夫の妻である
この現世を堪能して残りの人生を生きて行く。

私は固くそう決めているのだ。

愛する夫の日本人離れした鼻筋と
鼻横の溝をなぞりながら、
私は今日も夫を愛する。

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