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贈り物や記念品

しばらく間が空いてしまった。かと言って活動中断していたわけではなく、亀の歩みの終活はおかげさまで健在です。

今回は実家整理の早い段階である程度まとまっていたものの、その先どうしようかと迷い続けていたことを漸く実行したのでその顛末記。

いただきもの

実家の整理をしていると、食器類など様々な未使用品が出て来る。

一昔前、いや二昔前ぐらいまでは、どこの家でも御中元や御歳暮、御祝やそのお返し等々、いろいろなやり取りがあったと思う。

自分に限ったこと、或いは年代によるのかも知れないけれど、近年はそういった慣習が薄れているような気がする。

とは言え、デパートやスーパーでは御中元や御歳暮の時期になると必ず特設コーナーが設けられ、訪れる人の姿が絶えることはない。

今も、需要が少なからずあることについては、疑う余地はないだろう。少なくとも食品関係については。消耗品は贈りやすいと言うことなのだろうか。

ただ、やはり消費して消えてなくなることのない贈り物については減っているように思えてならない。

例えば結婚式。何十人、場合によっては更に一桁多い客人を招き、披露宴を開催するような式は随分と減って来ているのではないだろうか。仲人を立てることも少なくなっているようなことを聞く。

我が家の収納を見ても、若い頃は結婚式の引き出物然とした食器のセットみたいなものが定期的に増えていたが、最近では増えることはない。

年齢的に考えれば、今更結婚する友人もいないし、子どもの代だと先程も書いたように昔ながらの披露宴を開催しない傾向があるから、引き出物を頂く機会は激減して当然だろう。

いずれ着手せねばならない自宅の整理に際しての労力は、取り組んでいる最中の実家の整理に比べれば、物理的には相当楽に違いない。

何と言ってもモノが少ないのだから。いや、正確に言えば頂きモノが少ないのだから。

価値判断の難しさ

さて、実家の押し入れや天袋から出て来るものたちで処分に手間取るもののひとつが、今回取り組んでいる食器、茶器、花器、そして工芸品の類だ。

お焚き上げの回でも触れたけれど、今までも衣類であったり写真であったり人形であったり、取り扱いに窮するものは数々出て来た。

それに比べれば、今回の未使用の食器類などは、少なくとも感情的には処分に困ることなどないように思える。

しかし、少々種類の異なる困惑というものもあるのだ。

我が家は旧家とか資産家とかではない極めて一般的な、いわば普通の家。(普通の定義は難しいけれど)

押し入れから思いもしなかった超貴重な骨董品、所謂「お宝」が出て来ることなど殆ど、否おそらく全く期待出来ない。

それでも、木箱に納められた大ぶりな花瓶とかは何かの記念の頂きものに違いないから、決して安物ではないだろう。

自分が逆に誰かに御祝いの品を贈るとしたら、付き合いの程度や社会的な上下関係等々にもよるけれど、そこそこ値の張るものを贈るに違いない。

目上の相手であれば尚更だ。矢鱈なものは届けられない。目下であってもプライド的な要素が入るから同じかも知れない。

いずれにしても、目の前に積み上げた品々の中には、単純に処分するには相応しくない(普通の家にとっては)高価なものも含まれているように思えてしまう。

テレビ番組のように「十万!百万!千万!」みたいなカウントは叫べないまでも、購入価格が千円、二千円ということはないだろう。

ネットで売ってみようかという気にもなるけれど、売主が価値判断出来ないことには適正価格すら分からない。

それでも、ひとつやふたつのことであれば、頑張って調べまくってみようという気にもなるし、なんならオークションに出して価値判断は人様に任せてしまう手もあるけれど、そこそこ数があるのでいずれも現実的ではない。

日がな一日そればかりに関われる日々であれば、面白いからやってみるかという気にもなるのかも知れないけれど、そんな状況ではないし。結構忙しいのだ。

それに、トラブルの元になりがちな「ワレモノ」は送りたくないという気持ちもある。

そんな煮え切らない状況というか精神状態だから、結局は今回は業者頼みで行こうかとの結論に至った。

見積りの依頼

高く売って現金化してどうこうしようなどという気持ちは、正直なところ更々ない。

純粋に、もしかしたら喜んで使ってくれる人がいるかもしれないものを単純に「燃えないゴミ」として扱いたくないだけだ。それに、仮令工業製品であっても作り手の思いもあるだろう。

更に、先程も書いたことだけれど、この中に間違っても「お宝」はないだろうから、安値で売ってしまって後悔することもないだろう。

繰り返しになるが、そもそもそのような高級な芸術作品や工芸品、嗜好品をやりとりするような家ではない。あくまでも普通の家なのだ。

そんな訳で、骨董品に興味も見識もない自分としては、ある程度広域に活動していてマスコミ等で社名・店名を耳にしているようなメジャーな業者を選ぶことにした。

そうと決まれば早速電話して、と行きたいところだけれど、ネットでの口コミに要らぬ不安を抱かされて(読む方が悪いのだけれど)何となく電話するのを躊躇ってしまう。

ネット上のレビューは、自らも経験した後であれば参考になることもあるのだけれど、未知の領域だと悪い話ばかりが脳内を駆け巡ってしまう。

たった1本の電話で、嫌な気分にさせられたりしつこく連絡され続けたりとか、後に尾を引かないだろうかとか要らぬ(要る?)心配をしてしまう。

基本的に小心者なのだ。いくつになっても。

そこで、様子見にメールを送ってみることにした。「骨董とかではなくて贈答品の花瓶なども買取対象か?」みたいな文面だ。

ネット上では「メールしたら返信じゃなくて電話が来てしつこかった」といったレビューもあるが、相手方にしてみれば直接話すに越したことはない訳で、そのことに不快感を露わにするレビューもどうかと思う。だったらコンタクトしなければ良いのだし。

そしてすぐに返信ならぬ電話が入った。やっぱり電話なのね。

オペレーターとのやり取りの結果、こちらが質問した以上に様々な品目を買い取ってくれることが分かった。

実は品目ごとに業者を変えるべきか迷っていた。餅は餅屋という言葉がある訳だし。ただ、先述したとおり高く売りたい訳ではないのだから、納得して気持ち良く引き取って貰えるのであれば相手は少ないに越したことはないのだ。

結果、流れに任せて出張査定の日取りを決めるに至った。

あれよあれよと

業者の訪問日はすぐに訪れた。最近は様々な事情で買取りを急ぐ依頼が多いと言う。つい最近、ニュース番組で特集をやっていたのを見た。

その番組に出演していた業者は24時間対応を売りにしていた。そんなにも急ぐ客がいるのか?と思って見ていたら、実際に真夜中に即対応を依頼して来る客が登場した。皆、いろいろと事情を抱えているのだ。

今回私が依頼した業者は、24時間対応というような極端な営業方針ではないものの、基本的には即座に対応しているようだ。こちらが都合の良い直近の日程で約束することが出来た。

担当者は中堅社員の雰囲気がする男性。ネットで飛び交っている悪い方のレビューとは違い、良い方のレビューを地で行くような丁寧かつフレンドリーな物腰で好印象を受けた。

あらかじめ一番広いスペースに種別に分類して並べておいたことも功を奏したのかも知れない。担当さんは一品一品手際よく適度に説明も加えながら査定していった。

元々、一つひとつ値段を付けて欲しかったわけでもなかったけれど、やはり「まとめていくら」という査定方法だった。ネットで見ていると、こうした査定方法にご不満な人も多いようだ。自分自身の思い入れのある品であれば、私とて同じかも知れない。

花瓶類、食器類、カメラ及び付属品等々、幾つかに分類して査定は終了した。全部で40品ぐらいあっただろうか。2時間程度の時間を要した。

この場で合計いくらだったとか野暮なことは書かないでおきたい。思ったとおりと言えばそうだし、反面「これは」と素人なりに目を付けていたものが普通の査定であったり、引取り出来ないと言われてしまったものもあった。

ひとことで言えば「そこそこそれなりの結果」といったところか。

そしてこれはゴールではなく

懸案事項、と言うか先延ばし案件は一応終了した。「一応」と言うのは、あくまでも「一区切り」であって「終了」や「完了」ではないからだ。

今回対象外となってしまった品々の処分も勿論だけれど(正直なところ今回の業者に断られただけでは諦めてはいないし)、実は幾つか保留していた品もある。レトロな家電とか、ネットで出品してみたい品があるのだ。

次のステップはメルカリかな?