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(ネタメモ。 進撃 エルリ 現パロ)名前は何人か出るけど大学生ハンジとリヴァイ。社会人(偉い)エルヴィン前の続きメモ。
朝食の材料を買ってきてくれた。リヴァイ曰く、一食に500円以上かけるなんてありえないらしい。
「俺なりに奮発したから文句は言うな。キッチンを借りるが、味についても文句は言うな」
「リヴァイが作ってくれるのか?それで文句などあるわけがない!」
どうでもいいが、さっさと着替えろと言い残して、リヴァイはキッチンへと姿を消した。エルヴィンはというと昨日、リヴァイを寝かしたままの部屋着姿だ。寝間着に着替えることすらしていなかったが、いつまでも寝たままの服装というわけにもいかない。新しく出したジーパンとシャツに着替えて、手伝おうかとキッチンへ顔を出せば、邪魔だと一蹴されたが、紅茶を用意すると大義名分をかかげて、リヴァイの様子を見ていた。
「料理ができるんだな」
「バイトの賄が当番制だからな」
焼けたばかりのハムエッグとトースト、レタスのサラダを添えたシンプルなワンプレートにエルヴィンの入れた紅茶。
「冷める前に食っちまおう」
「あぁ、そうしよう」
ソファ前のテーブルに置いて昨日と同じようにソファの端と端。もっと近くに来てくれというと、渋々と言った様子で皿を近づけて隣に来てくれた。
「普段から自分で食事を?」
「いや、家じゃほとんど作らない」
聞いて仰天した。
早朝のバイトに行く前に紅茶を一杯。昼は節約の為に学食に行くが、それすらも週に2回だけ。それ以外の日は抜いている。夕飯はバイト先の賄。バイトがない日は八枚切りの食パンと紅茶。痩せているはずだ。窶れを問いただして、ここ最近は賄もロクに食べられなかったと白状させた。これは一刻を争うと心が急いた。
学校は休みのはずだ、ゆっくりしていってくれと言うと、レポートが残っているし、夜にはバイトがあるから帰るというリヴァイを引き留めて、番号とSNSの交換をする。
「また来るな?」
「あぁ」
短く言い残して、食事を終えるとリヴァイは帰って行った。送るという言葉は断られた。
「ほらよ、タイピン」
「あぁ、確かに俺の物だ。ありがとう」
「礼なら、フロントのねーちゃんに言え」
休日のジム。邪魔をしないからレポートぐらいウチでやればいいと言ってやるべきだったか。深夜と早朝のバイトの方が金がいいからやっているといっていたが、学業に加えてそれでは睡眠時間が足りていないのは明白で、その上栄養も足りていないときた。早急に手を打たなければ。
「あぁ?夢子ちゃん、苦学生なのか?」
「夢子じゃない、リヴァイだ」
「まぁ、何でもいいけどよ、せっかく会えたんだし、向こうもお前を想ってるんなら、パトロンになってやりゃいいだけじゃねぇか」
休日に人呼び出してそんなことかよと言わんばかりだ。しかもジムに行くなら、ついでに話せないかと言いながら、ついでになっているのは運動の方だ。
しかし、ナイルの言う通り、学費も食費も生活費も出してやれるが、そんなことを提案して、リヴァイが諾とするとは思えない。下手を打てば「金で言いなりにさせたいのか?」などと言われて、その場で絶縁だ。
「あぁ、プライドっつーか、困窮しても人を頼りたくないタイプか」
中学生の頃に新聞配達、高校に入ったら新聞配達と宅配便の仕分けのバイト、それで溜めた金と奨学金を得て大学へ進学。現在も2つのバイトを掛け持ちしながら、学業に勤しみ、あの栄養不足過ぎる食生活を送っている。正直、なんとかしてやりたい。
「ナイル、俺たちの大学時代の食事と学校生活を思い出してみろ」
「朝マック、学食、間食で牛丼。週2で焼き肉の食放題、月1でサークルの飲み会。夢…その…リヴァイ?よく倒れねーな」
「俺もそう思う」
エルヴィンはあの細さで可哀想だと「お前それ何回目だよ」言いたくなるほどひたすら繰り返す。
「とりあえず、家見せてもらってどんな生活してんのか見せてもらえ、そっから決めろ」
じゃぁ、俺は走ってくる。
物思いにふけるエルヴィンを置いてナイルは行ってしまった。…が、一理ある。何よりも見て見たいという好奇心がある。
スマホを取り出して、メッセージを送ろうと思て、止め、電話をかけた。声の方がいい。
『バイトの後なら構わないが、来ても何もねぇからな』
その言葉通り、ユニットバスの6畳ほどのワンルームのリヴァイの家には数えるほどしかものがない。
まず、大きめのメッセンジャーバックが1つ。普段持っているものだ。教科書、ノート、レポート用紙…まぁ、学業で使うもの一式。低いテーブル。小鍋とマグカップ。電子レンジと冷蔵庫。衣類を収めているであろうカラーボックス。パイプベッド。以上である。しかし、カーテンレールややフローリングの床は綺麗に磨かれていて角に埃一つない。
が、如何せん寒い。
「20度以上にすると電気代が高くなる」
この寒い部屋で勉強に集中できるのかと問えば、寒くなったら腹筋をして体を温め、毛布を被って勉強しているという。そうすれば暫くは温かくいられると、当たり前の事のように言われ絶句した。
差し出されたのはティーバックが入れっぱなしのマグカップ。湯気が自棄に目立つことがこの部屋の気温を物語っている。
「あぁ、頂くよ。…?リヴァイ、自分の分は淹れないのか?」
「生憎と、カップが一つしかない」
ならリヴァイが飲むべきだというと、お前の為に淹れたのだから、お前が飲めと言われた。しかし、気が引ける。
「そうだ、交代で飲もう。リヴァイだって寒いだろう?」
「…寒いなら、毛布を被ってろ、まぁ、我慢は出来る寒さになる」
ベッドから剥ぎ取った毛布をずいと差し出され、少しだけ考え、カップを置くと、毛布ごとリヴァイの身体を拭き寄せた、抱き寄せたまま毛布を二人で毛布に包まる。
「何のつもりだ」
「この方が暖かいだろう?」
ほら、とカップを差し出してやると、俯いたまま受け取った。耳が赤い。顔も赤いのだろう。
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