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進/撃、普通にサシャとハンジ好きで、アニメpart2,3が好きでfinalまだ見てないような奴なんですが、最初は普通に「エルヴィンかっこええな」とか思ってみる様になって、気が付いたら負傷髭エルヴィンからドボンしたくさいです。…沼るまいと足掻いてはいたんですが…。
if、や現パロでもいいから幸せな未来の二人が見たいですね。

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(※出だしメモです。 進/撃 エルリ 現パロ)
 名前は何人か出るけど大学生ハンジとリヴァイ。
社会人(偉い)エルヴィン
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「もしも」その仮定は「そうなればいい」という希望に過ぎない。途中で投げ出した小説に、そう書かれていた。
 父親の顔は知らない。アル中で死んだ、そう聞いた。それだけ。母親はある日気が付いたら死んでいた。それだけ。
 未成年である自分は叔父に引き取られて育てられた。「自分の力でなら、好きにすればいい」…あぁ、そういう奴だったな。変わってねぇ。
 奨学金で大学に入ってお約束のようにバイト漬け。早朝のビルの清掃と、夜のステーキハウスの洗い場。当然サークルなんざやってる暇なんかない。「何故」昔の記憶を持っているのか、それは分からねぇ。あるんだから仕方がねぇ。ケニーにミカサ、エレン、アルミン、コニー、ジャン、…何人かには会ったが、記憶があるのはどうやらオレだけらしい。ハンジやミケや…アイツはどうだ?…何処にいる…。


「オイ、テメェ。シカトしてんじゃねぇ!!」
…オレのことか?気が付くまで時間がかかった。数人で煩く捲し立てる連中を一瞥するとメンチを切られただのなんだのと言って殴りかかってくる。お決まりのパターン。4人いたのかと認識したのはぶちのめした後だった。
「クスっ」
 笑い声?
「…何だ?」
「いやー、相変わらず強いと思ってさー」
 相変わらず、だと?
 振り向けばそこには
「…クソメガネ」
 ぼそりと呟くと一瞬大きく目を見開いて、ついでに大きく口を開けた。
「おおー!変わってない!」
「おい、ハンジ、いつからそこにいた」
 名を呼べば、駆け寄ってきて両腕を大きく振り上げた。
「リヴァイ!君は記憶があるのかい!?何人かには会ったけど、皆記憶がなくてね、君もそうだろうと思っていたんだが、まさか記憶があるとは!」
 …どうやら、こいつも記憶があるらしい。結論が「自分以外にも記憶がある奴もいる」に変わった。


「…大体、会った人間は同じみたいだね」
「あぁ、どうせお前もこの間の学校見学でだろう」
 正解。高校生のミカサやエレンが大学の見学に来た時にカマをかけてみたが、お互いに何もなかっただけの話。
「…少し前にエルヴィンを見かけた」
 「!」
「なーんにも覚えちゃいない。エルヴィンは変わらずエルヴィンだが、完全に生まれ変わって「こちらの世界」の住人だ。「あの頃」を覚えて引きずってるのは私…と君だけかもね」
「…生きて…いるのか…?」
「あぁ、生きてる。生きて、今の人生を過ごしてる」
 ハンジの手が、空になった紙コップを振った。…言葉が苦い。やはりコーヒーは好きじゃない。
「…手の届かないところにいる。偉くなっちゃってさー…」
 ハンジの遠い目が、懐かしさと寂しさを物語っていた。近かった人間が、遠い。それはハンジだけじゃない。 

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