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オールドノリタケ×若林コレクションに勝手ながら寄せる

ノリタケとの再会

念願叶って、兵庫陶芸美術館にて3月19日より開催されている【オールドノリタケ×若林コレクション】に行くことができた。
以前、【フィンランドデザイン展】に訪れた際に告知を目にしてから、ずっと気になっていたのだ。

正直言って語れるほどの知識もないのだけれど、私は「うつわ」に心惹かれやすい性質らしい。
陶器だったり焼き物だったり、人の手から作り出されるものの風合いが好きだ。


土の温もり、釉薬の発色。あるいは描かれた草花や人物の見せる表情。凝らされた装飾。

誰かが何かを考えながら、生み出されたもの。
生活に溶け込んだり、逆に非日常を演出したり、私たちのそばにあるもの。
いわゆる民藝という分野が、興味の対象だといえるだろう。
とはいえ、我ながらこのあたりの定義もかなり曖昧なので、正確性に欠けることはご容赦願いたい。


そんな私がノリタケのコレクションをじっくりと目にしたのは、数年前のこと。
名古屋にあるノリタケミュージアムだった。
ノリタケの食器セットやティーセット、華やかな花瓶に目を奪われ、圧倒されたことをいまだに覚えている。

そして、ノリタケの豪華さや美しさの裏側には、編み出された技術の妙があるということ。
私が思っているよりも、想像し得るよりも、細やかに手が施されている。
その事実に、なんだかドキドキしてしまう。

だから、今回の展示は私にとって楽しみであると同時に、ノリタケとの再会の場でもあった。
「また会えた感想は?」
そりゃあ、やっぱり「ときめきをありがとう」に尽きる。
撮影可能というありがたすぎる条件のもと、これでもかと私のiPhoneがシャッター音を立てまくったのだから。

眼福との逢瀬

泥漿を盛り上げて模様を描く『盛上』で、立体感豊かに。

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ポップなカラーリングの『ラスター彩』のトレー、香水瓶、化粧入れ…どれもこれも、いっそ商品化してほしいくらいだ。

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モダンガールのレトロな可愛さといったらたまらない。

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『布目』という技法を活かした花瓶は、まるで本当にキャンバスに絵を描いたかのよう。
じっと見つめるほどに、創意工夫の跡がワクワク感を高めてくれる。

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「好き」によって心が沸き立つ感覚ほど、心地良いものはないのではないか。


今日のような美術館巡りはもちろん、映画や舞台の鑑賞で感極まると、私はいつもこう思う。
そのたびに、「好き」に生かされている、とも。


オールドノリタケは私の目を、五感全てを、ただそこにあるだけで満たしてくれた。

いつかまたきっと、私の「好き」がノリタケを見つけるだろう。
そんな勝手な期待もまた、私がこれから美術館の展示を心待ちにする理由足り得るのだ。

(2022/12/9追記)
僭越ながら、「オトナの美術研究会」様が主催されている企画「忘れられない展覧会2022」に参加中です。
詳細は下記よりどうぞ。


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