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【笑み男】ファミコン探偵俱楽部のゲーム体験を考察(ネタバレなし)

探偵である主人公が事件解決に挑む物語を、コマンド選択で進めるゲーム「ファミコン探偵倶楽部」の30年ぶり新作。
「笑み男」プレイしました。

サウンドトラックや設定資料も購入していましたが、このように最後までやらなければ見られない仕様でして・・・

警告の大層なこと。こういうのに凝るところ好き。

このたびエンディングまで行きましたので、
封印を解き、感じたことを語ろうと思っております。

ネタバレはしません。ストーリーの感想も書きません。
今回は、このゲームを創作物として観察したい。
ゲーム中は探偵として事件を調査しますが、今度は自分がこのゲーム自体を調査するというわけです。


ストーリーの味変

"ファミ探"シリーズを通して感じる魅力は、
「TVドラマのゆるさ」と「映画的な衝撃」のバランス!

プロモーションは、「笑み男」という謎の都市伝説にまつわる怪事件を全面にしていますが…

大半の時間は、地道な聞き込みとかコツコツした調査で占められてます。また、実際のプレイ感はかなりゆっくりしたテンポです。

どう考えても事件に関係ない、しょーもないやりとりも大量にあります。(誉め言葉です。というか、設定資料の中で開発者が自ら言ってます)
そんな「ゆるさ」がゲームで味わえたのは、私は新鮮でした。

CV:大塚芳忠

かつ、重要なシーンでは思いっきりリッチな演出で盛り上がりますから、緩急がちょうど良いんですよね。
シリアスなドラマほど重苦しい展開が続かず、かといってダラダラ引き延ばされた話にもなってない。

それにゲームですから、退屈だと感じる場面があればある程度飛ばしていけて、人によるニーズの違いもカバーしやすい。

物語の一つの要素として、緊張と緩和のバランスって大事だと思うんです。味変することで飽きにくくなる。それを自分で調節しながら体験できるのはゲームならでは!

そういう意味では、ゲームでストーリーを語るのって最強じゃないでしょうか。

ゲームジャンル

公式サイトや設定資料に開発者の話が載っているんですが、こういうの読むのめちゃくちゃ好きなんですよね~…

「クリエイターの開発秘話」…たまらねえぜ。noteでもいろんな記事を読んでたら止まらんもん。

今回、プロデューサーの坂本さんがゲーム体験について話しているところがとても興味深い。
このゲームの位置付けを「自分で進めていく映画」「インタラクティブドラマ」と何度も言っていて、私の中ではビビッと来るものがありました。

ゲームソフトなのに、「~~ゲーム」って言ってないんですよ。

私は、いわゆるTVゲームって広く捉えると「触れてもらって自分で動かす体験」だと思っていて…。
クリエイターが表現して伝えたいことにユーザーが触れるのが特徴なのかなと。
であれば、別に「GAME」という言葉で表せないゲーム体験があってもいい。

だから、「インタラクティブ」という表現にすごくしっくりきたのです。
自分の中にぼんやりとゲーム的なものを創ってみたい、という気持ちがあって、今回言語化できた気がしました。

創作のあり方

設定資料こと"調査ファイル"の中で、坂本さんの創作について書かれた所がありました。
今回の「笑み男」では、遺体に奇妙な紙袋が被せられているというシチュエーションや、都市伝説ってこういうリアリティあるよね、という昔から温めていたアイデアをリンクさせてまとめていったそう。

自身を独特なやり方だと語っておられましたが、私はこれが創作の肝なんだと感じました。
noteを始めた私も、自分の考えを集めて人に与えられるものにしたいという想いがあったので、確信しました。

…好きなクリエイターに影響されて自分が元から考えてたように勘違いしてるかとも思ったけど、そういえばnoteを始めたときにそんなことを書いてたわ。


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