青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)のモデル

青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)がMTGのカードを参考にデザインされたという説があります。もとになったとされるカードは2つあるので、それぞれについて昔調べたことをまとめておきます。

《ティーカのドラゴン/Teeka's Dragon》 説

ミラージュに収録されたレアのアーティファクトクリーチャーです。 Web上には一時期このティーカのドラゴンがブルーアイズのモデルであると言われていた時期がありました。
検証のために、ジャンプ本誌で「MTGが遊戯王のモデルである」と言及された号を購入して調べてみましたが、記事内では該当する記述は見つけられませんでした。 それ以後にも情報がないかも目次レベルで調べたのですが、ちょっと見つけられず。 載ってるとすればVジャンプあたりでしょうか。 しかし、もしジャンプやVジャンプでそれらの言及があったとすれば、 Web上での最古の記述は2009年5月に書かれた個人ブログでそれ以前にはWeb上で一切言及がないのは疑問があります。

後述のMTGのカードを参考にしている遊戯王の原作登場モンスターたちがいずれも4版のものであるのに対して、《青眼の白龍》だけがミラージュ収録なのは違和感があります。 また、ウェザーライト以前はインターネットも普及しておらず、画像付きスポイラーの入手方法は発売しばらくたってから出ていた書籍などに限られていました。ミラージュのカード画像が掲載された公式ガイドは1998年発行で、青眼の白龍は1996年に初出であるため、高橋先生が連載時にティーカのドラゴンの絵を見ることは難しかったのではないかとも思います。

《ドラゴン・エンジン/Dragon Engine》 説

アンティーキティーに収録されたコモンのアーティファクトクリーチャーです。 イラストの構図の一部や機械的な雰囲気が青眼の白龍に似ており、このカードがモデルではないかといわれることがあります。

ジャンプ本誌で「MTGが遊戯王のモデルである」と言及された記事では、《ミノタウルス》のモデルとして《ハールーン・ミノタウルス/Hurloon Minotaur》が掲載されていました。また《デーモンの召喚》は《奈落の王/Lord of the Pit》に非常によく似ており、モデルではないかと言われています。これらのカードがいずれも4版であることから、同じく4版に再録されている《ドラゴン・エンジン/Dragon Engine》を高橋先生が見た可能性はありそうです。 青眼の白龍に”””もし何某かモデルがあるとするならば””” 《ドラゴン・エンジン/Dragon Engine》がデザインに影響を与えた可能性はあるのかなと思います。

尚、以下で言及されている「連載時はもっとドラゴン・エンジンに寄った絵柄だったが、単行本への掲載時に修正された」という説ですが、見たところ雑誌と単行本の絵柄は同一であるため、誤りであろうと思われます。 https://twitter.com/ikettitencho/status/1009730683483246592