【おはなし】クリスマスカラス #毎週ショートショートnote
ハロウィンの時は、人気あったのにな。
カラスの子どもが言った。
あの日の街で僕らを見つけた人たちは、雰囲気出るぅ!とか、ガチでホラーナイトじゃん!なんて喜んでたよ。
あの日だけの人気者か…
それを聞いていた父親カラスが言う。
そんなことはない。私は何度も人間たちのクリスマスを見てきた。彼らの喜ぶものは知ってるんだ。
今年は皆で歌を歌って人間たちを喜ばせよう。
坂の上にある大木にそれぞれが見つけてきた光り物を身に着け集まった。車が来るたびにスポットライトのように光があたる。
さぁ!はじめよう!
賛美歌を歌うカラスたちは何度も車のヘッドライトに照らされ、飾り、目、体もキラリと光る。
人間たちが木の近くに集まってきた。
観客も集まった!いよいよクライマックスだ!
指揮者の合図で下方にとまっていたカラスから順に飛び立つ。
ポトポトと白いモノを降らせながら…
辺りはみるみる白く染まった。
人間たちの悲鳴にも似たカンセイが響き渡り、カラスたちは満足げな表情を浮かべた。
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今週は2作目にも挑戦してみました!
こちらの企画に、毎週お世話になっております。
ありがとうございます!