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それでも供託金制度は廃止した方がいいと思う

 情報が多いほど、消化も早い今現在、もう誰も振り返ることすらなくなったあの荒れに荒れた7月の東京都知事選、一体なんだったのだろうかと時々ふと思うのだ。?

 こんなことを言うと都民は怒るかもしれないが、筆者はまだ供託金制度は廃止した方がいいという考えは捨てきれていないし、過去最多となる56人が立候補したこと自体はむしろ健全だと思っている。藤岡利充氏(2013年の映画『立候補』で毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞を受賞)と同様、ポスター騒動に関して何の問題もないとまでは言わないが、「NHKから国民を守る党」などが24人も擁立したことを含めて、それを一概に否定する気にはなれないのだ。

 そもそも石丸伸二氏とガーシー氏のどこが違うというのだろうか?
 石丸氏を支持しようと思っているわけではないが(筆者の理解力が乏しいこともあり石丸氏の東京都一極集中に矛盾がないのかが分かっていないので)既存政党と伍して闘うのにネットの切り抜き動画など使うぐらい当たり前のことではないのか?どうも既存メディアは在野だから泡沫候補だからインディーズだから叩いている様にしか見えないのは被害妄想なのだろうか?まるで自分の意見と違う泡沫候補を公選法の改正で一掃しようとしているようにも見える。
 奇を衒うのは知名度というものがないからやるのであって、政策がいただけないときに批判すればいいことで、それ自体が悪いわけではない。

 「供託金の増額ではなく、諸外国や政党の党首選挙に見られるような、立候補にあたって一定数の有権者からの推薦署名を要求する制度の導入が望まれる」という一橋大学教授安藤馨氏の意見も頷けるが、それは自民党総裁選にも立憲民主党代表選にも「推薦人20人」が必要とされるのと大して違わないという向きもある。自民党程の大所帯でもない立民の「推薦人20人」を「議員の10%に」という有志からの緩和策も今さら遅いようにも思う。

 無関係なポスターが貼られ有料サイトの誘導があることで有権者の心を掴むことができなかったなどと言う候補者は自身の努力が足りなかったとは永遠に思わないのだろうが、有権者までその候補者の心情を汲み取る義務はないはずだ。


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