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すずめの戸締まりを見てきました。(ネタバレあり)

フレックス制度を存分に活かして平日18時台で「すずめの戸締まり」を見てきた感想です。
すべてを言語化できない自分にもどかしさを感じますが、熱があるうちに。
※書き終わってから見返したら内容に関してというより自分語りに終始してたので、それでも良ければ。

加点方式でも減点方式でも100点です。(当日の意見)

2時間少しにおいて1箇所もゆるむことなく、また「これってどういう意味だろう」と勘繰る隙も与えられずに最後まで前のめりで、最初から最後まで喜怒哀楽を常に感じながら鑑賞していました。
全国を巡るロードムービー?というのもすごく性に合っていたし、扱っているテーマも私のパーソナリティに若干関わってくるところでもあったので、こんだけ芯食ってたらそりゃ最高しか言えなくなるわと思っているところです。

「日常」という言葉に内在する「平穏さ・平和さ」の割合は、年を重ねるにつれて少なくなっていて、「平穏な毎日」のような形容詞が必要になってきたと感じる。
それは自分が経験してきたイレギュラーが蓄積されてきたことによる変化だと思うが、東北地方太平洋沖地震は私の未来を再構築するに足る事象だった。

物語中盤までは、地震を可視化させたうえで新海さんの映像美に調和させていてすげえーやっぱり映像の説得力は正義だなと思いつつ、ダイジンの行いは言語道断だと怒り狂っていた。
鈴芽たちの旅が東京(御茶ノ水)からさらに北へ向かうと分かったとき、「え、あれに触れるのか?」とエンタメの中で直喩的に扱われるという興味と、そこまでの覚悟があるのかというリスペクトに近い畏怖を感じた。

入場者特典でもらえる「新海誠本」の中で、震災文学/作品としては特段珍しいものではないと書かれているのをみて、震災文学という概念があることを知った。そしてRADWIMPSも震災当日に毎年曲をアップしていることも。私の敬愛するゆずにもあの日の出来事を期に生まれた作品があり、エンタメ業界は5-10年くらい向き合ってきた/目を背けられなかったテーマなのだと思う。今作では、新海誠さんが真正面から向き合った結果もたらされるメッセージに触れることができて心底幸せだった。それは幼いころの自分に向けた
「ちゃんとおっきくなるよ!」「私は、明日の君だよ!(たしかこんなん)」や
「人の生き死には運なんだ」「人は生き永らえたい」
などの劇中で放たれる言葉の端々から感じられた。

個人的嗜好としてエンタメの中には生活感やリアリティというか、フォーク感があるとビンビンにくるので、新海作品の好きなところである風景の実在性・説得力に加えて、テーマへの親近感が私にぶっ刺さったのかなと思いました。あとは冒頭でも触れたけど、シンプルに無駄がなくて強かったです。お金かけてここまで研がれたもの見せられたらこの上なく幸せと言うほかありません。

当時誓った想いに、今の自分・明日の自分が報いていけるようにまた頑張っていかなきゃなと思わされているところです。
そして、なんでもいいから一生懸命生きる。これに尽きる。
それはそれとして、余韻が凄いので明日の仕事はサボりたい。

余談

今思えば、秒速5センチメートルのラストシーンの踏切も、戸締まりだったのかな、グダグダ解釈を述べることはできてもキマらないあのシーンに名前を付けることができるようになったのかな、と思います。

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