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なぜ小脳梗塞などで運動開始が困難になるのか?

こんにちは、さつきです!

今回は 「なぜ小脳梗塞などで運動開始が困難になるのか?」 というテーマでお話しします。

小脳といえば「運動の調整をする場所」というイメージが強いですが、実際に小脳がダメージを受けると スムーズな動作の開始や調整ができなくなる ことがあります。その代表的な症状の一つが 運動開始困難 です。

では、なぜ小脳がダメージを受けると運動をスムーズに始められなくなるのでしょうか? その仕組みについて、できるだけ分かりやすく解説していきます!


小脳の役割と運動開始

小脳は 運動の微調整やスムーズな動作の制御 を担っており、特に 無意識に行うような動作を円滑に進める 役割を持っています。

例えば、

  • 歩き出す

  • 手を伸ばして物を取る

  • 立ち上がる

といった動作は、私たちが意識せずともスムーズに行えますよね?

しかし、小脳がダメージを受けると 動作を開始する際の調整機能が低下 し、

最初の一歩が踏み出せない
腕を伸ばしたいのにタイミングが合わない
姿勢を変えるときに遅れが出る

といった症状が現れます。


小脳梗塞と運動開始困難の関係

小脳がダメージを受けると、脳の他の部位との 情報のやり取りがうまくいかなくなる ことが原因で運動開始が困難になります。

1. 運動のタイミング調整ができなくなる

小脳は 大脳皮質(運動の指令を出す) からの信号を受け取り、適切なタイミングで筋肉に指令を送る役割を持っています。

しかし、小脳梗塞が起こるとこの調整がうまくいかず、

筋肉への指令が遅れる動作がぎこちなくなる「動こうと思っているのに動けない」状態になる

という流れで、運動開始が困難になります。

2. バランスが取れず、一歩目が踏み出せない

小脳は 平衡感覚 も担っているため、ダメージを受けると 体のバランスを取る機能 も低下します。

その結果、 ✅ 立ち上がろうとしてもふらつく歩き出そうとしてもバランスが崩れるため足が出ない転倒しやすくなる

といった症状が現れます。

3. 小脳-大脳の情報伝達がうまくいかない

小脳は 大脳の運動野と密接に連携 しており、スムーズな動作を支えています。しかし、小脳がダメージを受けると、大脳からの「動け!」という指令がスムーズに伝わらなくなり、

「動こうと思っているのに、体が反応しない」 という現象が起こります。


運動開始困難への対策

小脳梗塞による運動開始困難に対して、リハビリを通じて少しずつ動作を改善することが可能です。

1. 視覚の補助を活用する

視覚を使うことで、運動のタイミングを補助できます。 ✅ 歩き出す際に床の目印を意識する手を伸ばすときに目標物をしっかり見る

こうすることで、運動開始のきっかけを作りやすくなります。

2. リズムを意識した運動

リズムを意識すると、小脳の機能を補助しやすくなります。 ✅ メトロノームを使って歩行練習をする音楽に合わせて体を動かす

3. バランスを鍛える

スクワットや片足立ちの練習体幹トレーニング(プランクなど)

バランス能力を鍛えることで、運動開始がスムーズになりやすくなります。


まとめ

小脳梗塞による運動開始困難は、

  • 運動のタイミング調整ができない

  • バランスが崩れて足が出ない

  • 大脳と小脳の情報伝達がうまくいかない

といった要因によって起こります。

しかし、適切なリハビリや補助方法を取り入れることで、改善の可能性は十分にあります!

日常の中で 視覚やリズムを活用した動作トレーニング を意識し、少しずつスムーズな動きを取り戻していきましょう!

それでは、今日も健康第一でいきましょう!


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さつき/言語聴覚士(リハビリ)
これからも有益な情報の発信に努めてまいります。ふつつかですがよろしくお願い申し上げます!