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食べたタンパク質はどうやって筋肉になるのか?アミノ酸と肝臓の働きを徹底解説!

こんにちは、さつきです!

「筋肉をつけるにはタンパク質が大事!」とよく言われますが、実際に食べたタンパク質がどのように筋肉になるのか、詳しく説明できますか?

今回は、タンパク質が体内でどのように分解・吸収され、筋肉の材料となるのかを科学的な視点から解説していきます!

1. タンパク質はそのままでは使えない!まずは「アミノ酸」に分解される

お肉や魚、大豆などに含まれるタンパク質は、そのままでは体内で利用できません。まず、胃や腸で「アミノ酸」に分解される必要があります。

① 胃での消化:ペプシンの働き

  • 胃に入ると、胃酸(塩酸)がタンパク質の構造をほどき、**消化酵素「ペプシン」**が働いて、ペプチド(短いアミノ酸の鎖)に分解します。

② 小腸での吸収:トリペプチダーゼとアミノペプチダーゼ

  • 小腸に到達すると、膵臓から分泌される酵素(トリプシン、キモトリプシンなど)がペプチドをさらに分解し、最終的に単体のアミノ酸になります。

  • アミノ酸は小腸の壁から吸収され、血液に乗って肝臓へ運ばれます。

2. 肝臓で「アミノ酸プール」に貯蔵される

小腸で吸収されたアミノ酸は、まず肝臓に送られます。ここで、全身に必要なアミノ酸を管理する**「アミノ酸プール」**が形成されます。

アミノ酸プールとは?

  • アミノ酸プールは血液や細胞内に存在するアミノ酸の貯蔵庫のようなもの。

  • 筋肉、皮膚、酵素、ホルモンなどの材料として、体が必要なタイミングで利用されます。

  • ただし、アミノ酸は糖や脂肪のように長期保存できないため、余ったアミノ酸は分解され、エネルギーとして使われるか、尿として排出されます。

3. 筋肉を作るための「筋タンパク質合成」

アミノ酸プールのアミノ酸は、筋肉の合成にも使われます。ここで重要なのが**「筋タンパク質合成(MPS: Muscle Protein Synthesis)」**というプロセスです。

① 筋肉にアミノ酸が供給される

  • 血液中のアミノ酸が筋細胞に運ばれ、筋肉の材料となります。

  • 特にロイシン(必須アミノ酸の一種)は、筋タンパク質合成を強く刺激する重要なアミノ酸です。

② 筋合成を促進するスイッチ「mTOR」

  • 筋肉合成のスイッチとなるのが「mTOR(エムトール)」というタンパク質

  • mTORが活性化すると、筋肉の合成がスタートし、アミノ酸が使われて筋線維が修復・成長します。

③ 筋トレとタンパク質摂取の相乗効果

  • 筋トレをすると筋繊維が微細なダメージを受け、それを修復するために筋タンパク質合成が活発化します。

  • そこに適切なアミノ酸(タンパク質)を供給することで、効率よく筋肉が作られるのです。

4. アミノ酸が不足するとどうなる?

タンパク質摂取が不十分だと、筋肉を作るための材料が不足し、以下のような問題が起こります。

① 筋肉の分解が進む

  • 筋タンパク質合成よりも筋タンパク質分解(MPB: Muscle Protein Breakdown)の方が上回ると、筋肉が減少します。

  • 特に長時間の空腹状態や過度なカロリー制限は、筋肉の分解を促進してしまいます。

② 免疫力の低下や疲労感

  • アミノ酸は免疫細胞の材料でもあるため、不足すると風邪をひきやすくなったり、回復が遅くなったりします。

  • タンパク質はエネルギー産生にも関わるため、不足すると慢性的な疲労感を感じることがあります。

5. 効果的に筋肉をつけるためのタンパク質摂取のポイント

では、効率よく筋肉をつけるためには、どのようにタンパク質を摂取すればよいのでしょうか?

① 1回あたり20〜30gのタンパク質を摂る

  • 体が一度に利用できるタンパク質量には限りがあるため、1回20〜30gを目安にこまめに摂取するのが効果的です。

  • 例:鶏むね肉100g、プロテイン1杯(25g)、卵3個 など

② ロイシンを意識する

  • ロイシンは筋タンパク質合成を強く刺激するアミノ酸

  • ロイシンを多く含む食品:鶏むね肉、卵、乳製品、大豆、ホエイプロテイン

③ トレーニング後にタンパク質を摂取

  • 筋トレ後30〜60分以内にタンパク質を摂ると、筋タンパク質合成が最大化

  • 炭水化物と一緒に摂ると、インスリン分泌が促進され、アミノ酸が筋肉に効率よく運ばれる。

まとめ

食べたタンパク質は胃腸でアミノ酸に分解され、肝臓でアミノ酸プールに貯蔵される!
筋肉を作るには、アミノ酸が筋細胞に供給され、「mTOR」のスイッチが入ることが重要!
筋トレと適切なタンパク質摂取の組み合わせが、筋肉成長のカギ!
1回20〜30gのタンパク質、ロイシンを意識し、トレ後の摂取を心がけると効果的!

食事とトレーニングのバランスを整えて、効率よく筋肉をつけていきましょう!
それでは、今日も元気にいきましょう!


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さつき/言語聴覚士(リハビリ)
これからも有益な情報の発信に努めてまいります。ふつつかですがよろしくお願い申し上げます!