結婚は幸せキラキラじゃなくドロドロな妥協?
読書記録。
結婚、出産、子育て、マイホーム。
世間ではシアワセに繋がる一般的なキーワード。はたからみると、このキーワードを実現してる人は皆シアワセそうに見えるが、この本では蓋を開けるとドロドロしているのを見せつけられ、あげくの果てに投げつけられる。
一人の冴えない平凡な男性教師が家を建て替える事を思いつくところから物語ははじまる。
ハウジングメーカーの営業マン。その営業マンの奥さん。男性教師にその奥さんに、両親。
一人の人間がいれば背景にその人だけの物語がある。
結婚して安楽とした生活をしていながら些細なことに不満を感じて、手元にはない物に手を伸ばして欲しがる。しかし、いざ手に入るとそれほど魅力的には思えない。
主婦の鬱々とした気持ちが丁寧に描写されていて、あぁ…わかるわかると何度も頷いた。
しかし改めて第三者的に眺めると、シアワセを必死に追い求める姿は随分と滑稽に見える。悲しいほど滑稽なのだ。
思っていたのとは違う現実をもがきつつ妥協しながら受け入れ生きていく様子。これがリアル。リアルすぎて…読後もやもや。
良くも悪くも、あるがままの愚かな姿が 目を背けたくなるほどありありと描き出されていた。自分はどの登場人物にも当てはまる。はい。間違いなくワタシも愚か者です。
さて余談だが…本を読んでワタシは思った。
どうして古今東西こうも男子達は女子を抱くと掌を返したようにつれなくなるのだろうか?
最近読んだ フランス小説の「アドルフ」も、「ボヴァリー夫人」も彼らは最初 女子を手に入れる為に必死こく。これが探し求めていた唯一の女だ!と。ところが拒んでいた女子が受け入れ本気になった途端 急に鬱陶しがる。
この本でも 男性教師の奥さんに恋したハウスメーカーの営業マンは、最初はこの人のためなら何でもする!くらいの勢いだったのにだんだん冷めてめんどくさがる。
ブルータス、お前もか!という名台詞をとりあえず呟いてみる。
いつまでも手に入らない方がいいのだろうか?追いかけるより追われる方がいいとはよく聞くがこういう事だろうか?
なんとなくわかるようで、いや、やっぱりわからない…今夜 ダンナさんが帰ってきたら聞いてみよう。