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2019年のポエトリースラムジャパン


あけましておめでとうございます。

昨年2018年、ポエトリースラムジャパンは東京(2箇所)、大阪、名古屋、前橋の5会場で地区大会を行い、これまでで最大の116名の方にエントリーいただきました。

参加いただいた皆さん、客席から応援いただいた皆さん、あるいは様々なかたちでご協力いただいた方々のおかげで、この大会を続けられています。本当にありがとうございます。


このnoteに連載中の「詩は世界をつなぐ ~フランス・ポエトリーリーディング見聞録~」でも書いていますが、ポエトリースラムジャパンをはじめるきっかけになったのは、私が2014年にパリでポエトリーリーディングの世界大会に出会ったことです。

20を越える国と地域から集まったスラマーたち。最終日の夜、各国代表たちと一緒に会場近くのオープンカフェで飲みました。誰かがギターを弾くのに合わせて、即興のマイクリレーが始まります。英語、フランス語、ロシア語、ポルトガル語…私も日本語で参加しました。それぞれの言語で発せられる詩が、パリの夜に流れていく。ポエトリーリーディング でこんなことができるのか。「言葉の壁」を声が越えるのを感じた瞬間でした。


すでに多くの人がポエトリースラムジャパン に関わっていただいています。皆さんそれぞれに「自分にとってのPSJ」があると思います。だからこれはあくまで個人的なことに過ぎないのですが、私にとってポエトリースラムジャパン は「リーディング日本一を決める大会」ではありません。「優勝すればフランスに行ける大会」でもありません。あえて言うなら「日本でリーディングをしている私たちが世界とつながる大会」なんです。

どんな詩も、ひとりの人間のなかから生まれてきます。詩を作ったり朗読したりすることは時にとてもパーソナルで、とても孤独なことだったりします。なぜこんなことをやっているのか、暗い迷路に行き詰ることもあります。だけど同じようにひとり詩を書き、ひとりステージに立っている人がニューヨークにもいる。パリにもロンドンにも、ナイロビにもオスロにもモスクワにもメルボルンにもサンパウロにもいる。確かにいま地球のどこかで、あなたの知らない誰かが、あなたと同じように詩を書き、声を発している。そのことが、微かな光になりはしないでしょうか。


私たちはたまたま日本で、それぞれの地元で詩を詠み親しんでいます。何だか特殊なことのように感じることもあるけど、実は世界中で行われているし、100年前も100年後も必ず誰かがやっているでしょう。そう思うとなんだか不思議に愉快な気持ちになりませんか?



2019年のポエトリースラムジャパンはまず、1月10日(木)東京・門前仲町での「ポエトリースラムジャパン 2019 新春ミーティング」 からスタートします。オープンマイクで楽しみつつ、ワークショップでポエトリースラムの未来を考えてみようというイベント。

また連載「詩は世界をつなぐ」は、このあとも順次アップしていきます。こちらもぜひお楽しみください。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

(ポエトリースラムジャパン 代表・村田活彦)

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