UNLOCK Movie Contest投票開始!
音担当茂野です。
先週の草間小鳥子の記事「制作過程みせます」に続き、SSFF & ASIA 2023 UNLOCK Movie Contest について書いてみます。
投票開始
宮嶋風花監督とPoetic Mica Dropsが共同制作した20秒動画「UNLOCK」
監督自身による手書きアニメと草間小鳥子のメッセージ性の強い詩、熊谷弥香のちょっと気怠いラップ風リーディングによって、テーマ「UNLOCK」を象徴的、印象的に表現できたと思っています!
完成動画がこちら!
そしていよいよ「UNLOCK」動画を応募したNFTによるコンテストの投票が始まりました。
以下のリンクよりぜひ投票お願いします!(投票期間5月16日〜29日)
宮嶋風花&Poetic Mica Dropsの「UNLOCK」に、みなさまの清き一票!よろしくお願いします!
20秒の映像作品「UNLOCK」
「UNLOCK」は、ポエトリー・リーディング・ユニットPoetic Mica Dropsにとって、たぶん初めての厳密な条件下での創作だったかもしれません。
ユニットでの作品は常に内容も長さも自由に作ってきました。
LINEで公開された連続ドラマ「今日、京都とミカと猫。」では、シーンの長さに音楽などを合わせてはいましたが、厳密な長さが秒単位で決められていたわけではありませんでした。
今回のUNLOCK Movie Contest応募条件は、映像に決まったロゴを入れること、テーマは「UNLOCK」(解放)、そして作品の長さが20秒以内。
宮嶋風花& Poetic Mica Dropsチームの映像は、宮嶋監督自身が絵を書き、アニメに組み上げ、佐藤嵩真氏撮影の実写映像を合成しながら編集する20秒の映像。
そしてPoetic Mica Dropsが作る音は、その映像に合わせた20秒のポエトリー・リーディング作品。
20秒ぴったりに作る、という創作が始まりました。
音の制作過程の裏側おみせします!
締切という時間的制約があったので、宮嶋監督のアニメ映像完成を待たずに、音も並行して作り進めていくことになりました。
先ずは、監督の意図、動画コンセプトに添って、「UNLOCK」をテーマに草間小鳥子が詩を書きました。今回は(今回も?)メッセージ性の強い言葉が並んでいます。
(詩は先週の記事に全文掲載されています。そちらを参照ください!)
数日後、熊谷弥香の朗読録音データが届きました。
読みの速さ違い、ニュアンス違い、声色違いなど様々なバリエーションがあり、作品の幅や可能性が広がりました。
ここから、私のほうで20秒に収まるように言葉を選び、同時に音楽を考えていきました。
大きく分けて、A、B、C、3つのタイプ違いができたところで、デモ版として書き出し、監督含め全員と共有。
そのタイプ別デモ版をここで公開します。映像はこの時点でのテスト版になります。
言葉の伝わり方、メッセージ性、「UNLOCK」の印象度など、違いを感じてみてください。
Aタイプ
読みのスードが速く、最も多くの言葉を入れ込んだAタイプ。
言葉がはっきり聞こえるという良さがありますが、オープニング映像としては言葉の投げかけがやや強すぎるのでは、という懸念も。
Bタイプ
熊谷弥香が開発した猫キャラ声色を基本にした少しコミカルなBタイプ。
詩の中の別な言葉が重なってきたりして、言葉遊び的なニュアンスもあります。
Cタイプ
少し気怠く読んだ声を元にラップっぽく仕上げたCタイプ。
読みの速さに変化があり、ゆるい展開があり、詩の言葉も聞こえやすく、UNLOCKというテーマが印象に残ります。
宮嶋監督が、この映像に詩の言葉を手書き文字で入れながら音を検討。
言葉が伝わりやすく、今回のコンセプトを一番表現できそうなCタイプで音の方向が決定!
さらに音要素の追加、曲の追加アレンジ、声の調整、修正を加えて完成したバージョンがこの記事の最初にお見せした動画「UNLOCK」です。
TVCMの経験
20秒の映像作品と聞くと「短い」と感じる人は多いかもしれませんが、日常的に見ているTVCMの多くは15秒と30秒です。
私は、映画音楽と並行して、今まで数多くのTVCM音楽を作ってきました。また、宮嶋風花氏は映画監督だけではなく、CMや広告映像のディレクターとして日々活動しています。
ということで、20秒という制約に不自由さは全く感じないのです。むしろ、その決められた短い時間の範囲で、何をどうやって表現するかを考えてワクワクしたりします。
「UNLOCK」はTVCMの経験が生きた創作でした。
投票の結果、楽しみです。
(茂野雅道)
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