春夏秋冬 春 Ⅷ
before
ⅰ
あの頃の思い出にもう一度会いたい
痛みを切り離したくても
温もりを失いたくないから切なくなる
懐かしい温もりは薫りと共に蘇る
手は空っぽのままで何も残さないから虚しい
今まで歩いた軌跡が今宵の空を照らし出す
夜空の果てに太陽が昇る
もう戻ることはない それは過ぎていくもの
空はこんなにも青く 光に抱かれている
たとえ嵐が来ようとも永遠の闇は存在しない
今日も風は歌う
光に抱かれ 木々と戯れ
花を愛で 祈りを奏でて
蘇る思い出は幻のよう
それでもこの胸には温かな余韻を残す
ⅱ
眠りは闇に似ている
その堕ちる瞬間は孤独のよう
しかしその果ては安らぎに包まれている
ならば眠りという揺りかごに
君は抱かれているのか
大地に還った君よ
花を咲かせておくれ
あるいはあなたは天に昇り 星となり 雲となり
あの太陽となったのだろうか
あるいは打ちつける雨に
君の涙があったのだろうか
永らく眠る君よ
もうあなたと出会えるだろうか
時に連れ去られ
過去へと埋葬された君よ
この世界と夢の狭間に陽炎となり
大地の果てと天空の彼方に誘われた君よ
それでも時は進み続ける
過去は永久の過去となり
現在は永遠の現在となる
日射し温かな木漏れ日に
花が散る
あなたの微笑みが
宙に舞う
between
女々しい笑
もっと軽やかで美しいものにできないか。
全体的に圧縮する。
(あの頃の思い出にもう一度会いたい:後ろ向きな要素は削除)
もう戻れないあの頃は
波のように押し寄せる波のよう
(痛みを切り離したくても
温もりを失いたくないから切なくなる)
(懐かしい温もりは薫りと共に蘇る
手は空っぽのままで何も残さないから虚しい)
痛みと思い出と
温もりと懐かしい香と
(今まで歩いた軌跡が今宵の空を照らし出す
夜空の果てに太陽が昇る)
(もう戻ることはない それは過ぎていくもの
空はこんなにも青く 光に抱かれている)
(たとえ嵐が来ようとも永遠の闇は存在しない
今日も風は歌う)
今まで歩いてきた軌跡が 今宵の空を照らし出し
夜空の果てに太陽が昇り 空がこんなにも青く
(光に抱かれ 木々と戯れ
花を愛で 祈りを奏でて)
(蘇る思い出は幻のよう
それでもこの胸には温かな余韻を残す)
これらをひとまとめにして軽やかにする。
戻ることなく 過ぎていく日々で
今日も風が歌い 光に抱かれ
木々と戯れ 花を愛で
祈りを奏で 心の中でそよいで
この胸に
温かな余韻を残していく
しかし、風が暖かな余韻を残す、というと二番煎じなので、もう少し先の展開が欲しい。
ⅱを凝縮して、その先を描く。
(眠りは闇に似ている
その堕ちる瞬間は孤独のよう
しかしその果ては安らぎに包まれている
ならば眠りという揺りかごに
君は抱かれているのか:すべて削除)
(大地に還った君よ
花を咲かせておくれ
あるいはあなたは天に昇り 星となり 雲となり
あの太陽となったのだろうか
あるいは打ちつける雨に
君の涙があったのだろうか
永らく眠る君よ
もうあなたと出会えるだろうか
時に連れ去られ
過去へと埋葬された君よ
この世界と夢の狭間に陽炎となり
大地の果てと天空の彼方に誘われた君よ
それでも時は進み続ける
過去は永久の過去となり
現在は永遠の現在となる
日射し温かな木漏れ日に
花が散る
あなたの微笑みが
宙に舞う)
余韻とはなんであるのか、を凝縮したものを描く
Ⅱで語る内容は省略(余韻→懐かしさ→心の中を滞留→沈殿、巡り、環を成す。広大な心のシステムの一場面。)
木漏れ日のように 緩やかに舞い
微笑むように 宙を舞う
after
もう戻れないあの頃は
遠くの波のよう
痛みと思い出と 温もりと懐かしい香りが
寄せては返す波のよう
今まで歩いてきた軌跡が 今宵の空を照らし出し
夜空の果てに太陽が昇り 空がこんなにも青く
もう戻ることなく 過ぎていく日々で
今日も風が歌い 光に抱かれ
木々と戯れ 花を愛で
祈りを奏で 心の中でそよいで
この胸に
温かな余韻を残していく
木漏れ日のように 緩やかに舞い
微笑むように 宙を舞う
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