あなたに届けたい言葉を探して 「心の中の宝石」
before
愛と恋 憎しみと許し
自分が嫌なことを相手にしたら 相手も同じようにしてきて
自分が相手に優しくしたら 相手もまた優しくしてくれるかもしれない
嫌なことされたらむかつくし
そんなことされたら優しくしようとか思えないもの
だから相手を大事にするということは
自分を大事にするということ
優しくしてもらえたら優しくしようと思えるのはそういうこと
誰だってそう
みんな大事にされたいだけ
でも相手を大切にすることも難しい
自分もいるから 大事にしたいという想いの板挟み
それは貰うものではなくて与えるもの
もっともっと…求めるほど
足りなくなるもの
与えることに満足すれば
残るのは満たされた心
それは見返りを求めないということ
そこには受け入れるという行いが潜んでいる
それは「変わって」より「そのまま」でいいということ
行動は束縛できても心は自由だから
大切なのは「大事にしたい」と思う心
でも思っているだけでは伝わらないもの
でも心はあるから
思いがたとえゼロだとしても
積み重なればやがて行動という一になるから
言葉にして欲しいと誰もが願っている
そうでないと分からないから
不安にもなってしまうから
本当は憎しみだってそう
それは分かって欲しいのに分かってもらえない思いだから
それは苦しみからではなく 喜びから生まれるもの
それは行為にこそ秘められたもの
見えるように 分かるように
形にしてほしいと願われたもの
それは物かもしれない
言葉かもしれない
大切なのは受け取った人が分かること
大事にされている実感を
思いは伝えることにある
分かるように
届くように
そして―触れるように
自分一人の欲望を満たすだけの愛は その喜びは
一瞬の風のようなもの
喜びは次にやってくる悲しみに取って代わる
けれども誰かの手と重なる喜びはいつまでも残るもの
その心の中に
恋に苦しむ人がその苦しみから逃れるためにさらに恋をすることがある
恋は深化すると愛になるのかもしれない
恋は近づきたい気持ちから起こるなら
愛は受け入れたい気持ちから起こるのだろう
宝石があるとして その端正な輝きを好きになるのが恋なら
その反対側がたとえ歪み曇っていたとしても受け入れるのが愛であるのだろう
きっと愛は全てに輝きを見るのだろう
愛とは心の中の宝石
between
もっと削れる。
だが、間を大事にしていかないと、飛躍する。
その絶妙さ加減を整合性をとれる形で完成させたい
タイトルも「心の中の宝石」というシンプルな内容に。
after
心の中の宝石
できることなら傷つきたくない
大事にされたい
でもそれは私だけではなくて
きっと誰もが そうで
なのに傷つけてしまうことがある
大事にできないときがある
最初からそうしたかったわけではなくて
でもうまくいかなくて
誰かを大事にすることと 自分を大事にすることは
きっとどこかで繋がっていて
言葉と気持ちが 結びついては揺れて
誰かと自分との間で 心が板挟みになっていて
差し出す手と 受け取る手の溝を
何かで埋めようとする時
思っているだけでは届かなくて
それでも思ったことは無駄ではなくて
積み重ねればやがて見えない場所を超えて
何らかの形になって 誰かのもとに届いて
隔たりを超えて 誰かと重なって
温かなそれは
一瞬の風のように消えていくとしても
いつまでも心に残り続ける灯台の光のようなものだとしても
見えない場所で輝く
心の中の宝石
詩人です。出版もしております。マガジンで書籍のご案内もいたしております。頂いたサポートは出版の費用にさせていただきます。