春夏秋冬 春 Ⅵ



before

何をやってもうまくいかない時
落ち込むのは受け止められないから
自分が自分であることに落ち込んでしまうから

そんな時 星に想う
消えてしまいたい

そして願う
星になりたい

手を伸ばす
あなたのような輝きが欲しい

傷つけるのが怖くて
傷つくのも恐ろしくて

信じてくれる人に
応えられない―恐怖

知らなかった
生きていくのがこんなにも苦しいのだとは

散る花よ
私もあなたのように散ってしまいたい

そうしてこの空に消えてしまいたい
その安らぎに抱かれたい

あなたのような花を
この心にも咲かせてはくれないだろうか
そうすればあなたのように優しくなれるだろうか

世界に孤独に立ち尽くす―こんな自分に
一体何ができるというのだろう
手を開いたこの手からは花弁がこうして散る

まだ知らないだけ
あの星を―花の―美しさを
その輝きを美しいと思う
―自身そのものの心を

宙を舞う儚い夢よ
置いていかないで

世界にぽつんと立っているだけの―こんな心にさえも
祈りがあり 願いがあり
何よりも叶えたい道があることを―思い出して

between

けっこう打つ展開だが、五月病とか、そういうのを考えると、あながち間違ってもないのかもしれない。もう少しフラットな書き方で。

何をやってもうまくいかな(い時)くて
(落ち込むのは受け止められないから)
(自分が)自分であることに落ち込んでしまう(から)

(そんな時 星に想う
消えてしまいたい:言い方を変える。後の展開で消えたいが出てくるので、ここではいなくなりたいにする)

自分でも抱えきれなくて
この世界が受け止めてくれる気がしなくて
いなくなりたいと星に思う

(そして願う
星になりたい

手を伸ばす
あなたのような輝きが欲しい)

あんなふうに輝きたくて
星になりたいと手を伸ばす

(傷つけるのが怖くて
傷つくのも恐ろしくて)

(信じてくれる人に
応えられない―恐怖)

(知らなかった
生きていくのがこんなにも苦しいのだとは:ここまでをひとまとめに)

傷つくことも傷つけることも
信じてくれる人に応えられないことも
生きてくことも 全てが怖い

(散る花よ
私もあなたのように散ってしまいたい)

(そうしてこの空に消えてしまいたい
その安らぎに抱かれたい)

花のように散ってしまいたい
そうしてこの空に消えてしまいたい

(あなたのような花を
この心にも咲かせてはくれないだろうか
そうすればあなたのように優しくなれるだろうか)

(世界に孤独に立ち尽くす―こんな自分に
一体何ができるというのだろう
手を開いたこの手からは花弁がこうして散る)

花がこの心にも咲いたりはしないだろうか

(世界に孤独に立ち尽くす―こんな自分に
一体何ができるというのだろう
手を開いたこの手からは花弁がこうして散る)

開いた手からは花弁が散っていく

(のちの展開を全て削除して、花になりたいと思い、手を開くとなぜか花弁が散る。
 内なる世界に花が咲いていることの証として描かれている。ネガティブな展開だが、散るということ自体が、何か明るいものが内側にあるという逆説を描いている。これまでの展開を踏まえると、そういう繋がりになる。)

after

何をやってもうまくいかなくて
自分であることに落ち込んでしまう

自分でも抱えきれなくて
この世界が受け止めてくれる気がしなくて
いなくなりたいと星に思う

あんなふうに輝きたくて
星になりたいと手を伸ばす

傷つくことも傷つけることも
信じてくれる人に応えられないことも
生きてくことも 全てが怖い

花のように散ってしまいたい
そうしてこの空に消えてしまいたい

花がこの心にも咲いたりはしないだろうか

開いた手からは花弁が散っていく

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