5頁 「甘さは「等分」、思い出は「希望」。」
Ⅰ
振り子のように訪れる
「幸せ」と「不幸」
それはカードのドロー
手札と交換 場に出して 捨てて引いた 何枚かのカードの交錯
永遠に続くような シーソーゲームのような 心理戦
勝者は勝った人ではなく きっと一番楽しんだ人
永遠に続く それならそれで 悪くない
未来があっての永遠ではなかったかもしれない
過去がひたすらあったからこその 永遠なら
未来の重さは絶対的に
これまでの過去が支えている
だから 失くさなくていい
その手で守っていけばいい
誰が何と言おうと
その手にとって 意味があるなら
あなただけの 価値があるなら
Ⅱ
他者と比較して「平等」とは思えない身に起こる様々な出来事は
もしかしたら自分の人生の中では「等分」なのかも
「嬉しさや幸せばかりでは人生に深みが足らない」とでも言うように
悲しいことや辛いことも時折容赦なく訪れる
次のターンに「嬉しいことや楽しいことが起こる」と信じられるのは
悲しみに意味をもたせて「等分」と思えるような幸せに出逢ったから
そのことがもう既に「幸福」で
幾ばくかの強がりを握りしめながら強く思う
目を見張るほどのまあるさは儚く
撫でたそばから溶け出す氷は揺らぎも秘めずに甘く尊い
そえられた豆皿を指差して優しさが笑う。
「甘いかき氷と、しょっぱい漬物と、甘い。
しょっぱい、甘い、しょっぱいで、永遠」
心が呟いた「それは永遠だね(等分だね)」
私は思った。「わたしは幸せに支えられて生きている」
今までの悲しみ全てが「この時のためだ」と思えるような瞬間
幸せを噛み締めた日を思い返せば
どんな悲しみを差し引いてもあの幸せが残ると分かっていれば
「大丈夫」。また笑える
深い悲しみに揺らぐ日があったなら
全てを肯定できるような幸福にまた出逢えるはずだと強く信じて
思い出は「希望」
だからどんな事があってもなかったことにはしたくない
選んだすべてを後悔しない
切なさや寂しさに負けて黒く塗り潰してしまうことなどせずに
優しさや幸せをそのままのカタチでいつまでも覚えていたい
「強くなる」ということは起こる悲しみを「等分」と思えるように
「プラマイプラス」と思えるように
幸せに人生をかけよう
出逢えた眩しさを
この手で守っていくために
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