詩集シリーズ season7.13 公園で子供還り
詩集 日々を生きる
「受け入れるということ」
大変で 上手くいかなくて
思うように全然進んでいけなくて
焦ったり 傷ついたりもして
自分や誰かを嫌ったり
許せなくなるほど
苦しくなるから
救いにもなる
返答詩集 出逢いと旅 別れと続く道
「思い出の在処」
誰も知らない胸の奥
壊れそうな儚い器に
皹が入って零れたものが涙
傷だらけの美しい器が
一杯になって溢れたものが涙
涙は痛みと微笑み 両方を湛えて
光と闇のように 瞬きながら
海と月のように 揺らいでいる
通り過ぎて 触れた温もりが
冷えずに 指先に残り続けているものが思い出
零した涙が 渇いたとしても
罅割れたままで 棘が突き刺さっているものが思い出
思い出は哀しみと愛しみ 両方を孕んで
赤子と灰骨のように 眠りながら
花と星のように 何度でも生まれ変わる
誰にも触れられない心の最果て
奇跡のように 触れられるから
泣きたくなるくらいに温かな 優しい光
# 5
星の欠片 心の断片
二部 星と心
三章 星に願いを
10
この世界にあるような地図が
心の中には見当たらない
方角もない
揺れ動く心しかない
標識のように
誰かの言葉を導きにする
拾って捨てて 繰りかえして
何度も捨てて 選びなおして
もう一度拾う
世界に散りばめられているものたちを
胸の中に集めて灯にして
星のように廻りながら巡る
ここまで生きてきたすべてを
授けられた意味を
星座のように繋ぐ
11
今しか生きられない命が放つ
過去もあり続ける心は光の残滓
未来へと世界に残る想いは星の欠片
失われていくものを この星が受け止めている
呼ぶ声が届かなくても この星が聴いている
弓と弦が鳴り響くような
奏でられた空の胎動が
鼓動する唄と重なりながら
12
森にたゆたう霧が
光を受けてカーテンのように降り注いでいる
森を抜けて 広がる雪
頭上高く光が閉じたり開いたり
緑と紫の光の幕が揺れている
天空の光が舞い 遥か彼方に 星達が歌う
世界の最果てにも光は注いでいる
限りなく繰り返される鼓動と
永遠と思えるような果てしない旅路に
世界の息遣いが聞こえるようで
雲が満ち 海のように波打ち
山から滝のように流れ 森を飲み込んでいく
滝には虹が架かり 水と戯れ 月と語らう
月も星達と共に宇宙を旅する
星は廻り 景色が巡る
点のような微かな光 集まれば広大に輝く渦
渦の点の奥に 秘められた命
13
見上げた夜空の彼方に
星を見つめて
広大な宇宙を眺めていた
星の瞬きが声のような
何か聞こえた気がした
星の光が風になって触れるような
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