5 47 詩集 リバイバル おまけトーク(人間関係はルネッサンス)



詩集 百花繚乱
「蕗」

夜が明ければしんしんと冷えた真っ白な世界が煌めき出す
お日様の光に照らされて目覚める木の葉たち

訪れる温かな風を待っている

肩を寄せ合って 眠るような 君が目覚めた時
日向が風に乗って輝き始める

もうすぐ春風が舞い降りるから

#4  大地と大空 心と影

深い闇の中 光の当たらない影の世界
膨大な死と無数の影が残響する

全てが無に還る場所 最果てにして最初の場所
死神の産声と渦巻く混沌が木霊する

何もない
始まりも終わりも存在しない

線も境界も存在しない
誰も どこにも 辿り着かない

腐敗していく空気は光を大地の果てに追いやり
風によって一掃され 塵のように姿を消してしまう

姿無き精霊のように 天使が嘲笑うかのように
差し込む光は 届くことはない

伸ばした手はどこにも届かない
世界が手を伸べることもない

命は闇の中で彗星のように燃え尽きていく
運命が命を道ずれにして歩みを定めていく

心の彼方へと結ばれた影
世界に覗く深淵の地

誰にも気づかれない深海のような場所で
息を潜めている

森は深い雪に閉ざされていく
白銀の世界

息は白く舞い上がると風に連れ去られ
次から次へと消えていく呼吸の余韻

残された命は孤独に佇んでいる
鼓動が止まれば極寒の世界だけが残るのか

存在するだけで
温もりを奪い去っていく

世界の在り様か
心の光景なのか

雪が降る森の中
心も閉ざされている

静寂が降り積もっていく
孤独に似ている

癒えることはあるのだろうか
全てを寒さに塗り替える 底知れない欲望に似ている

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