あなたに届けたい言葉を探して 「優しさを探して」
before
一
伝えたいのに伝わらなくて
届いたと思ったら誤解されていて
悪意がない一言に傷ついて
何気ない一言で傷つけてしまう
あぁ―もう…
なんてもどかしいのだろう
自分の気持ちは他人には見えないもの
他人のだってそうなのに忘れてしまう―見えなくなってしまう
見えないものを言葉だけで表すのだから
それは触れられなくて―儚いもの
言葉だけに囚われると
見えなくなる想いがある
もしかしたら言葉以上の気持ちが
そこに潜んでいる
だから考えてみる
私の伝えたいこと
物は気に入らなかったら手放すのは簡単―眼に見えるものだから
心は見えないからこそ―握りしめていることに気がつかなかったりするもの
だから自分の言葉に注意してみる
本当に言いたいことに耳を澄ませてみる
二
知らないうちに傷ついたり傷つけたりすることがある
―そう言えばさ…
なんてところから始まった言葉に
まさかそんな一言で傷つくとは自分でも思わなかった
笑っていても心は涙目だった 自分でも驚いた
―じゃあね―
笑顔で別れて
ため息吐いて
傷ついた自分を隠して
気づけば傷ついた自分を恥じて責めてしまっている
いつからそんなに弱くなったのだろう
自分の弱さが嫌になる
なにを言われても傷つかなければいいのに
三
お前は間違っている
自分は正しい
その言い方はまるで間違っているからと罰するかのよう
でも間違えることと傷つけることは別物
間違えた人を責めるのが正しさというのなら
それが強さというのなら
人を傷つける正しさなんか
そんな強さは欲しくない
正しさは間違いを裁くためにあるんじゃない
許すためにあると思いたい
間違えた―その人は
だからといって
そこまで言われることはないね
傷つけられることはないよ
「間違ったおまえが悪い」
「傷ついたあんたが悪い」
蹴ったり 叩いたり
痛くて 血が出るかもしれない
体の傷は目に見えるからあったことになるのに
心の傷は目に見えないから知らないふりができてしまう
だから言葉はいつだって手探りで
目を瞑って慎重に―指先で辿っている
手にした言葉がどんな形をしているのかを確かめて
傷ついた言葉は心の片隅に残しておく
大切な人ができた時に―傷つけてしまわないように
悲しくて苦しかったことをもう二度と繰り返さないために
私が傷ついた痛みと同じ思いをしてほしくはないから
四
その時になったら分かること
痛みは贈り物だということ
辛い時
耐えられなくてもいい
挫けてもいい
けど最後には立ち上がる勇気が欲しい
傷ついてもていい
泣いてもいい
けど誰も傷つけない優しさが欲しい
傷ついた自分を恥じなくていい
弱さを強さに変えるのが優しさだから
そんな痛みを その弱さを受け入れてあげて
本当の強さは優しさの中にあるよ
between
言葉が多すぎて、何を一番言いたいのかがぼやけてしまう。
言葉をできる限り減らす。
after
一
伝えたいのに言葉にしたらそうじゃなくて
届いたと思ったら誤解されていて
悪意がない一言に傷ついて
何気ない一言で傷つけてしまう
なんてもどかしいのだろう
自分の気持ちは他人には見えなくて
他人のだって そうで
見えないものを言葉だけで表すのだから
触れられるものでもなくて
目に見える物を手放すのは簡単で
見えないものは 握りしめていることにさえ気づかなかったりして
二
思いもよらない一言で傷ついたり
気づかないうちに傷つけたりすることがある
傷ついた自分を隠して
そんな自分を恥じて責めてしまう
自分の弱さが嫌になる
なにを言われても傷つかなければいいのに
三
体の傷は目に見えるからあったことになるのに
心の傷は目に見えないから知らないふりができてしまう
だから言葉はいつだって手探りで
手にした言葉がどんな形をしているのかを確かめて
傷ついた言葉は心の片隅に残しておく
大切な人ができた時に
傷つけてしまわないように
悲しくて苦しかったことを
もう二度と繰り返さないために
もう誰も同じ痛みで傷ついてしまわないように
四
辛い時
耐えられなくてもいい
挫けてもいい
けど最後には立ち上がる勇気が欲しい
傷ついてもいい
泣いてもいい
けど誰も傷つけない優しさが欲しい
詩人です。出版もしております。マガジンで書籍のご案内もいたしております。頂いたサポートは出版の費用にさせていただきます。