「迷宮」 第二章 Ⅷ




before

届かない願いと知りながら
縋るしかない無力な自分を憎む
憎しみは自身の大気を焼き
いつしか命をも焼き尽くす

求めたものが叶えられない絶望は
やがて周りへの底なしの憎しみへと変わる
自身もろとも奈落の底へ
それは誰も救われない滅びの唄

憎しみよ
あなたが流れ星なら堕ちればいい
その輝きに愛を見つけよう

絶望よ
あなたが轟く雷なら放たれよ
滅びの槌を下せばいい

虚無よ
あなたが雨なら降り注げ
無で満たすがいい

山の頂で 海の底で
月の上で 空の中で
地の底で―この世界の―どこかで

混沌の闇と
深遠の空で

自らの願いさえ―分からない儘に

受けた傷が その苦しみが
その哀しみが―闇が―
その一瞬が閉じ込められ
閉ざされ 永遠となる

何時しか唄われる鎮魂歌
その歌が――唄われるまで

between

壮大でネガティブ。デスメタルみたい。3つの詩を繋げる。

after

届かない願いと知りながら
縋(すが)るしかない嘆きよ

自身の大気を焼きつくし
命をも燃やし

叶えられない絶望は
自身もろとも奈落の底へ

誰も救われない滅びの唄

憎しみよ
流れ星なら堕ちればいい

絶望よ
轟(とどろ)く雷なら放たれよ

虚無よ
雨なら降り注げ

山の頂で 海の底で
月の上で 空の中で
地の底で この世界の どこかで

混沌の闇と 深遠の空で
自らの願いさえ 分からない儘(まま)に

その一瞬は閉じ込められ
永遠となる

いつしか鎮魂歌が――唄われるまで

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