「迷宮」 第二章 Ⅷ
before
Ⅷ
届かない願いと知りながら
縋るしかない無力な自分を憎む
憎しみは自身の大気を焼き
いつしか命をも焼き尽くす
求めたものが叶えられない絶望は
やがて周りへの底なしの憎しみへと変わる
自身もろとも奈落の底へ
それは誰も救われない滅びの唄
Ⅸ
憎しみよ
あなたが流れ星なら堕ちればいい
その輝きに愛を見つけよう
絶望よ
あなたが轟く雷なら放たれよ
滅びの槌を下せばいい
虚無よ
あなたが雨なら降り注げ
無で満たすがいい
山の頂で 海の底で
月の上で 空の中で
地の底で―この世界の―どこかで
混沌の闇と
深遠の空で
自らの願いさえ―分からない儘に
Ⅹ
受けた傷が その苦しみが
その哀しみが―闇が―
その一瞬が閉じ込められ
閉ざされ 永遠となる
何時しか唄われる鎮魂歌
その歌が――唄われるまで
between
壮大でネガティブ。デスメタルみたい。3つの詩を繋げる。
after
Ⅷ
届かない願いと知りながら
縋(すが)るしかない嘆きよ
自身の大気を焼きつくし
命をも燃やし
叶えられない絶望は
自身もろとも奈落の底へ
誰も救われない滅びの唄
憎しみよ
流れ星なら堕ちればいい
絶望よ
轟(とどろ)く雷なら放たれよ
虚無よ
雨なら降り注げ
山の頂で 海の底で
月の上で 空の中で
地の底で この世界の どこかで
混沌の闇と 深遠の空で
自らの願いさえ 分からない儘(まま)に
その一瞬は閉じ込められ
永遠となる
いつしか鎮魂歌が――唄われるまで
詩人です。出版もしております。マガジンで書籍のご案内もいたしております。頂いたサポートは出版の費用にさせていただきます。