交響曲 鉛筆
before
この手に収まる六角形の木偏
漆黒の鉛を飲み込んだそこに宿る
炭鉱労働者の血と汗を私たちは知らない
生きた木が削られた 命の欠片
大地に根を張り 海を渡り
―手元に終着する
どれ程使おうとも―この鉛筆の重さを知ることは叶わないのかもしれない
命の重さを誰も知らない 価値の大きさを何人たりとも知らない
存在の尊さを―計ることなどできはしない
between
表現が固い
雰囲気が重苦しい
知らないことをとがめる雰囲気さえある
もっとシンプルに
フラットに
after
それは六角形の木片
生きた木の欠片
大地に根を張り 海を渡り
手元に終着する
掌が量る重さだけでは
知ることはできない
命の重さも
存在の重みも
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