6 6 詩集 リバイバル おまけトーク(ハーゲンダッツ)


旅の風景 心の景色
「救い」

涙が零れた時
花が散ってしまった
花片は風に攫われて星に消えて
涙は大地に沈み込んで消えてしまう

捨ててしまったのはきっと
自分自身

冷たい雨のような
凍える氷のような悲しみに打たれて
星の見えない夜へと手を伸ばす

消えてしまいたいという声は
祈りも似ていた

どうかいなくならないで
宇宙に梯子をかけて探しに行く
スコップを片手に地面を掘り続ける

痛みは涙を零すまでに辿った悲しみ
流した血は流した涙の数

触れられたなら
両手に包み込んであげたい
落としても大丈夫 何度でも拾いに行くから

泣いた数だけもう一度笑えるように
彼方に星が瞬くように
何度散っても 何度でも咲く花が空にある

手に残ったものを ぎゅっと抱えて
この世界と生きていくために

思想詩集 子守歌
「孤独の夜に」

月に抱かれるように
闇衣に包る夜を夢見ている
星のような 儚い夢を

花に抱かれるように
柔らかな花弁に包まれて光を夢見ている
日溜りのような 温かな香りに目を閉じて

月夜の晩に寂しげに揺れる木々に寄り添う風のように
静寂な砂漠に人知れず咲く花を照らす星の光のように

孤独の寂しさを忘れられるなら
苦痛さえも愛しく思えるだろうか

温もりを抱くように
孤独の夜空に微笑むような夢を見る
声が消え入る 切なさに涙して

絡めた指先のような
花束を抱きしめるように
柔らかな優しさに包まれて眠りたい

愛のように
星のように

返答詩集 余韻
「真理 神秘 そして奇跡」

たとえばこの命の中に
一つの奇跡が隠されているとしたら

心臓の鼓動に何を託しているのだろう
見上げた空の 彼方の闇の 果ての無数の光に散りばめた
世界の圧倒的な広さに目眩がする

どうしてこの世界はできたのだろう
どうしてこの命は鼓動するのだろう
どうして自分はここにいて
生きているのだろう

どれ程考えても―分からない…

たとえば世界の果てに
探している答えが秘められているとしたら

世界に何を指し示すのだろう
大地の彼方の 空の果ての 深い眠りのような漆黒の中で煌めく幾億もの光は
鍵のように宇宙に潜む

何気なく通り過ぎる足下の小石のように
目に映った花のように
人知れず消えゆく虹のように
世界の秘密を囁いている

誰かに―見つけてもらうために…

たとえば見えない場所で輝く星が
世界の真理を宿しているなら

世界を支えているのかもしれない
抱き寄せ 抱擁し 手を握りしめて
守り続けるように

この命はどこから来て
どこへ向かうのだろう
世界の果てには何があるのだろう
過ぎた時間はどこへ行ってしまったのだろう

どこまで旅しても―やっぱり見つからない…

たとえば世界の果てが
心の奥底に繋がっているとしたら

この世界は見つけてもらうためにこそあるのかもしれない
この命はすべて出逢うためだけに あるのかもしれない
離れてしまっても消えることなく

誰にも見えないほどの彼方に
きっとある
誰にも見えないほどの奥底に
きっと生きている

――夢のように

#4  大地と大空 心と影
19

地上から見上げた青い
空の色

空の向こうの 宇宙から見下ろす
地球の姿

空のような海 海に浮かぶ陸
小さくて見えない 人の形

美しく 躍動しながら
宝石のように 眠る

闇の中で一点に浮かぶ命は
奇跡のようで 星のように

人生を旅しながら 命の果てを信じて
流れ星が行き着く彼方を 目指すように

星もまた旅をしている 命が生きるように
存在する意味を 光のように 放ちながら

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