5 32 詩集 思想詩集 リバイバル おまけトーク(人間関係の発見)
詩集 百花繚乱
「桔梗(ききょう)」
大地に蒔かれた種
空との約束
風船となって空へと昇る蕾
風前の灯火のように淡く 陽炎のように儚い
今にも消えてしまいそうな
偽りや余計な飾りは要らなくて 脱ぎ捨てる
いつか帰る場所は地上
咲く花は星となる 空に応えるように
真っ直ぐに空へと伸べる手 果たされる誓い
約束は音を立てて崩れるというのに
叶う時は音も立てずに人知れず実る
思想詩集 夢を探して
「世界を美しくする旋律について」
それは花
香りを運び
癒しを歌い
雨に打たれて涙し
光を浴びて微笑む
それは月
闇の中で祈り
光の中で眠る
孤独の天に静寂を詠い佇み
闇に満ち欠けしながら淡く輝く
それは空
雲と虹と星が 万華鏡のように変わりゆく
光と闇を抱いて 人と獣と草木を見守り
朝陽の光 陽だまりの煌めき 燃えるような夕陽 夕暮の闇
移り変わりを弦にして 安らぎを奏で 祈りを捧げ 全てを慈しむ
#3 月と太陽
一章
「月」
―夜―
見上げた先に咲く
微笑みは静謐な光を湛えている
夜の海から導く灯台のように
闇を照らす一筋の光
眩しいくらいに 輝き満ち 溢れ
いつしか零れて 失われていくように
ほっそりとした後ろ姿が 別れを告げる
もっと見ていたい もっと知りたいのに
決して触れられない
分かっていても 手を伸ばしてしまう
恋に焦がれるように
月のない夜は闇でしかない
会えても すぐに遠ざかってしまう
想いは途切れてしまうから切ない
届かなくても 触れられなくても
いてくれるだけでいい
待っているから
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