THE STROKES「THE NEW ABNORMAL」
ストロークスが戻ってきた。
当時は中学生か高校生だった気がする。
Is this itで全米1位を取ったと絶賛され、それがあまりにもソリッドで楽曲が極限まで削られたものだったから、「え?これが?」と分からなかった。
本格的に聞き始めたのはセカンドから。ギターのメロディに都会の喧騒ときらびやかなものを感じて、まるでドラマを音楽で聴いているみたいだ、とハマった。
サードになってそのギターの重さは、当時を思えば、シリアスな方向になったのだと解釈すれば聞けたのかもしれないけれど、あまり心地よく感じなくてしばらく離れていて。
そしてふと気づいたら僕はハンドパンをしていて、音楽の構成に耳を傾けるようになっていて。ああ、そうか、こういう意図なのか。と何となく興味がわいて。それからハマった。という経緯。
ハンドパンは色んな気づきを僕に与えてくれたから、そうした財産は、演奏以外でおおきかったのかもしれない。まあ、その話はおいといて。
「新作」ではなく「戻ってきた」
そう。
戻ってきたのだ。
ファーストのようなソリッドさも、アングルズのような眩しさも、ルームオンファイアのような喧騒も。ファーストインプレッションズオブアースのようなシリアスさもある。どれもある。多角的だ。そうだ。アングルズだ。色んな視点と角度と切り取りがある。万華鏡だ。
ここまで昇華(消化)してきたか。
素晴らしいの一言。
良く戻ってきたぞ。ストロークス。偉いぞ、とか言うと怒られそうだけど。そんな気持ち。
さて、ではザニューアブノーマルの世界観を、もしよかったら皆さんも。どうぞ。
――――――――――
皆が口々に言う。
俺の憧れは言葉の先にある。
正しいことをしようと努力しても
そこに見返りはないんだ。
詳細はここにある。
つまり俺たちは混乱しているんだ
時間を失ったのは俺のせいだ
君の愛情が欲しい。
人生は短い。
だからおれは君のために生きるよ
怖くなどない
気にしていないだけ
堂々巡りに陥るのをおれはただ待っている。
俺の部屋から遠く離れた場所に 必要なものはすべてある。
言いたいことは全部
別の歌で
別の日で
いつだって俺は眠りながら歌う
それは夢に委ねよう
絵空事に過ぎない
俺だってそんな気持ちと戦っている
でも誰も 今すぐ俺たちを止めたりしない
未来を築くシンフォニー
解読するミステリー
人生はサイケデリック
石のように沈んでしまうなら
おれをオール代わりにしろ
歌を歌う
絵を描く
君の時間が欲しい
まちがったことをしたのか
定かじゃなかった
うまくやれているんだろうか どうだろう
準備はできた 出発だ
一度でいいから聞いてくれ
単なる物語に過ぎないが
君に話してあげるから
おれは真実を見つけ出す
戻ってきたら
君が耳にしている静寂は
変わるだろう
――――――「ザニューアブノーマル」に寄せて
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