「アンダーワールド」

――「THE RASE OF LYCANS」――

「お前はソーニャの生き写しなんだ」

「――嘘よ」……

――彼女がまだ戦士になる前の物語

ヴァンパイアの彼女と
ライカンのシリウス

育ての親のヴィクター

愛と憎しみ
信頼と裏切りが交錯する

一族の掟と制裁
自由と引き換えの死

――それは
悲しみしか産まない愛の物語

奴隷と解放
自由と戦争

争いは新たな争いを生む
これは新たな戦いの始まり

禁じられた愛
種の交配
そして歴史は繰り返される

彼女の名前はセリーン

――「UNDERWORLD」 ――

古から続いてきた戦いもようやく終わる
誰もが――そう思っていた

だが、誰も気づいていない
誰が、それを終わらせるのか
歴史の悔恨を、残したままで

錯綜する謎と一人の男
思惑と背信そして根源

彼女は裏切ったのか
それとも最初から裏切られていたのか

火花のように一瞬
運命の予感

シリウスは笑う
悲願の成就だと

ヴィクターは種の存続のために戦い続けてきた
たった一つの致命的な嘘を隠したままで

結びつく時
一つの時代が終わる

――「EVOLUTION」――

ライカンとヴァンパイア
元を辿れば兄弟の二人に辿り着く

交配種と真祖
決して相容れない血が謎を紐解く

絶望の中で瞬く
一筋の幸福

彼女は聞いた
「私はどうなるの――」

彼は答えた
「――希望」だと

闇の中で二つの血統が血飛沫を上げ
朝陽と涙が未来を告げる

――「Awakening」――

彼女は目覚めた氷漬けから解き放たれて

過ぎた月日は認識を混乱させる

いつの間にか彼女は一人で
独りではなかった

守る理由は
戦う意味になっていく

床に落ちる銃弾にかき消させる
たった一つの謎だけが硝煙のように揺れる

――「Blood wars」

彼女はもう1000年生きた

戦うたびに
孤独になっていく

戦う理由はなくなり
生きる意味も見失っていく

風のように張り付く孤独と死
そして果てに―――………

戦いは終わらない
勝利は目的にさえならない

報われない
でも彼女は一つの未来を待っている

それは1000年後に続く
生きる理由になる――かもしれない


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