6 16 詩集 リバイバル おまけトーク(我慢の転換)


思想詩集 子守歌
「宝物」

駆けだしたくなって
踏み出した一歩から始まる物語

胸の鼓動
キラキラと光る空や木の葉
時めいて心躍る瞬間が刻みつけた風景

夢のように過る淡い想い
奏でた風と光の音色
拾い集めた思い出

夜の彼方で月が詠い
星が微笑む
傍で花が香りを奏で
木が風に吹かれてささやいて

見えない場所で
胸を温めるもの

返答詩集 余韻
「歩むために差し出したもの」

失ってまで歩んだのは
何のためだったのだろう

一歩のために
胸の中にしまったものを一つ差し出して
痛みと引き換えに 朝陽を呼んで
悲しみをすくいとるために 花が咲いては散って

歩み続けることができたのは
ずっと探していたから

悲しみを背負って 想いを灯して
痛みを抱えて 光を紡いで
冷めないように
温もりを 胸にしまって

この歩みに意味があるかなんて分からない
失われた温もりが託した光の行方なんて誰も知らない

歩み続けなければ消えてしまうから
涙を光に変えて
後悔を勇気に変えて
胸の奥の鼓動は歌い続けている

意味なんてなくても
生きていくために

犠牲にした夢が残したものを希望と呼んで
照らされるものが 遙か先にあるのなら
生きている今は 続けてきた歩み
守り抜いたものは この手の中に

光が鼓動をして歌うなら
意味が分からなくても この世界は温かくなる

彼方の星のように
光が溢れる
空のように
この胸の中で

# 5
星の欠片 心の断片
一部 光と闇
三章 心の夢

木になりたい
何も求めない
佇む木になりたい

空になりたい
どこまでも広く
自由な空になりたい

全てを受け入れ 立ち続ける木のように
何にも囚われず あるだけの空のように

自らの手で
どうしようもなく自身を傷つけてしまう

自分から逃げ出したくなる
自分を許せなくなる

記憶によって張り裂け ばらばらになりそうで
元に戻らない気がする 消えてしまえないだろうか

傷ついてしまうなら
心なんてなければいいのに

心がなくなって苦しみがなくなるのなら
幸せになれるのだろうか

心は闇のように掴みどころがなく
夜のように広大な海を
漂流するかのように彷徨っている

光を探して夜空を旅するかのように
暗闇の中に一つだけ灯る
蝋燭の火を見つけた

星のように届かない
儚く揺れる光を
誰が灯したのだろう

心は見えないものだから
誰も心の本当の姿を知らない

自分でさえも
分かっていない

分かってあげられるなら
触れることができるだろうか

傷つくことが怖くて
自分の気持ちに蓋をする

誰かを優先することで
自分を守ろうとしている

置き去りにした自分の声が
聞こえないくらい遠くに行ってから

苦しくなってようやく
自分を見失っていることに気づいて

もう探しにも行けないくらい
自分の声が分からなくなっていた

生き延びるための回り道で
いつか自分を大事にしようとしていたのに

歩いていたのは
遠回りな自傷行為だった

沢山の道なんて本当はないのに
選べる気がしてしまう

手に入らない未来まで
目に映ってしまうから

選べる道は一つしかない
自分が歩いていける今だけが 未来に繋がっている

道なんて一つでよかった

選ぶと同時に失っていく

失われたものたちが

一欠片を心に残していく

大事にされない自分のままで

何を望んで
何が叶うというのだろう

一番傷ついている自分が
望むものも分からないままで

どこに行こうというのだろう

この手で
未来を選ぶ時

失ったら自分でなくなるような
自身の欠片を 託している

自分を賭けて
生きていこうとしている

10

想いを大切にしたくて
叶わなくても 藻掻いている

心のどこかで諦めきれなくて
救われたいと 願いながら

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