6 4 詩集 リバイバル おまけトーク(お金のブロック)


旅の風景 心の景色
「時間旅行」

綴ったものを歌にするならちょっとした時間があればいい

思ったことを 思ったままに
感じたことを 感じたままに

筆を動かすように 言葉を並べれば
想いの足跡 心の軌跡

自分自身だったものが
描いてしまったらもう自分だけのものではなくなる

揺れ動く風と木の葉の影模様
太陽の放物線と光の綾
空模様と海の波

世界は移ろい続けるから確かな物には触れられない

たとえば石
触れようとしたら宇宙の果てまで続く道

たとえば山
海の底から始まる果てしない物語

月日は変わっていく
綴ったものが別物になってしまうように

閉ざされた空のように 自分の内側を廻る終わらない旅
砂漠に潜む宝石のように 海原に眠る真珠のように
宇宙の彼方の星のように 自分自身を探している

限られた時の中で果てしない時を巡る時間旅行をしている

思想詩集 子守歌
「寂しい夜に」

思い出が宝物になったから

月を見上げて思い出す
遠くにいても見つけるように

何度もすれ違って
何度でも出会い直して

もらった時間のすべてが
胸の中にあったから

寂しくても一人ではなかった

ふとしたときに
誰かの幸せを願っている
世界を彩る全部を愛しく想う

生きる勇気が
胸の中で灯って温めるように
世界を照らし出してくれるから

一人の寂しさも大切なものになった

返答詩集 余韻
「宇宙の旅」

こんなにも広い世界だから
迷ってしまうのは当たり前なこと

小さな掌で ちっぽけな自分で
できることなんてどれくらいだろう……

――想い 馳せてみる……

何か遠い場所を目指して必死なことや
一生懸命に生きていることとか
自分にとって大事なものは
他の人にとってはどうでもいいことかもしれなくて

日常なんてささいなものの寄せ集めが
星の巡りや光と闇にとっては星よりも小さいもので
この世界の圧倒的な広さに飲み込まれると
消えてしまっても何の問題もないような気がしてくる

取るに足らないものかもしれないささやかなものを
ずっと胸にしまって大事に生きてきた
誰かにとってはどうでもいいかもしれないけれど
自分にとっては彼方の星よりも大事なものだった

こんな小さな掌で守り続けた何かが
どうでもいいわけがない

こんなにも広い世界だから
懸命に泳いで息をして 飲み込まれても必死に握りしめている

この歩みは星の軌道よりも重苦しく
太陽よりも希望に満ち溢れていた

命の鼓動は 体の旅
星は身体を乗せて 廻る宇宙船

宇宙の中で震えて
銀河が呼吸する

魂は心を奏で 心は想いを詠い
想いに感情が瞬き 散っていく

命は一瞬にして儚く
星のように消えていく

#4  大地と大空 心と影
17

夜 暗幕のように 空を覆う
光のように 注いでいる 流れる水の静けさで

月 満ちる時 溢れる光
零れる風 空が切ない

朝 何かが始まるような 夜と光の交代劇
垂れ下がった天幕が取り払われるように

光 すべてを癒すように
世界を包み込んでいく

空 すべてを包み込むように
陽 すべてを映し出すように

鳥が歌う

世界が光に浸かる
空が流れ 風がはためく

煌めき 輝く
自然の奏でる景色が聴こえる

雲が 空を隔て
光を遮っていく 心のように

雨が降り注ぎ
世界は雲の影に身を潜める
雨が堕ちていく
町は黙って受け入れている

音符となって町を覆い
旋律が紡がれていく

風 オーロラのように棚引いていて
水 カーテンのように揺らいでいる

見上げた空 羽ばたく鳥

牢屋の格子のような 聳える町並み 立ち並ぶ建物
閉ざすように 広がる雲

真っ暗な雲の中で
どこへ行けばいいかも分からなくて

出口は見つからない
どこから来たのかも見失う

飛ぶことをやめてしまったら
地面に堕ちてしまう

まだどこにも辿り着けていないから
雲を突き抜けた先へ 描いた眩しさを胸に

あの鳥は何度でも飛び立っていくのだろう

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