5 43 詩集 リバイバル おまけトーク(365日)
詩集 百花繚乱
「紫式部」
古来より伝わる至高にして至宝の色
清らかであり誇大せず
ありのままの姿にして洗練している
本質とは
何かを大きく語り 魅せ 引き寄せるものではなく
存在が必然的に醸し出し 雷のように響くもの
愛を求め
語らずとも
彼女は愛を授かる
我欲ではなく叡智によりもたらされる
調和という聡明な哲学によって生み出される
#3 月と太陽
「朝と夜」
闇を光が射抜き 朝が訪れる
太陽が夜を飲み込むように
地平から 放射線状に伸びていく
闇を一筋の光が一閃する
夜は切り裂かれ
隙間から光が溢れ出す
膨大な光が時を切り開き世界を動かす
目覚めた時が世界の始まり
眠りの狭間で身体は闇の中を彷徨っている
巡り流れる日常と陽光の影に置き去りにされている
身体は意識に隷属する 思惑は無数に交錯している
果てに待ち受けるのは夢だったかもしれない
時間に取り残され 世界に埋もれる
外側の虚無が内なる光景と重なる世界
彼方に闇を突き抜ける光が見える
トンネルから覗く光のような距離で
闇の彼方に 僅かに見える銀貨のような光
手にひらに収まってしまいそうな
微かな煌めきを握りしめて
一筋の光を辿って 闇の中を歩く
迷いながらも 続く道をいく
心が見た景色を 目にするために
拓ける視界の先へ
世界は今日も始まる
「不安という影と共に歩く」
手にした光が輝く分だけ
影が色濃く映し出される
背後の闇を見て 掴めなかった光を胸に
星を頼りに 花を道標に
戻ってくればいい また始めればいい
何度でも 歩いていけばいい
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