「見上げた空に星が光る」10



before

赤き星が羽根を広げるその間近に
空の彼方の点のように小さな星
それは獄炎に曝された星

光が降り 灼熱の嵐が吹き荒れる
影が注ぎ 極寒の氷に閉ざされる

二つの地獄が相反して混在している

両者の狭間に矛盾と混沌が広がる
だがその世界の狭間に 果たして楽園はあるのだろうか

水なき星 それは 冥界と地獄を繋ぐ橋
否―この地獄の境目に 生命宿りし水が―存在し得るのかもしれない

Between

水星の話

赤い(き)星が羽根を広げる眼前で(その間近に)
空の彼方の点のように小さな星がある
(それは獄炎に曝された星)

光が降り 灼熱の嵐が吹き荒れる
影が注ぎ 極寒の氷に閉ざされる

二つの地獄が相反して混在している

(両者の)狭間に矛盾と混沌が広がる
(だがその世界の狭間に 果たして楽園はあるのだろうか)

(水なき星 それは)冥界と地獄を繋ぐ橋
(否―この地獄の)境目に 生命の宿る(りし)水が(―)存在し得るのかもしれない
(だがその)世界の狭間に 果たして楽園はあるのだろうか

After

赤い星が羽根を広げる眼前で
空の彼方の点のように小さな星がある

光が降り 灼熱の嵐が吹き荒れる
影が注ぎ 極寒の氷に閉ざされる

二つの地獄が相反して混在している

狭間に矛盾と混沌が輪廻する
水の名を冠する 冥界と地獄を繋ぐ橋

その境目には生命の宿る水が存在し得るのかもしれない
世界の狭間に 果たして楽園はあるのだろうか

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