note7 手紙 Opening
いつも思うことだけれど、どうして、その時はわからないのだろう。繰り返し、立ち止まり、ふと自分の考えを整理したくなって、いろんなことを振り返る。きっかけもいろいろで、ぼくはそうしたことが得意だと思っていたけれど、気がつくと、またできなくて。物事を整理して、考えることがこんなに難しいとは思っていなかった。
誰かと話をしている時は、なんか、わかったような気がしてくる。うまくできないことを受け入れて、それが当然のことだと、理解できて、それを踏まえて話ができるというか。そういう意味では、誰かに会い続けて、その上で考えていく、話をしていくことはとても大事なことだと言えるのだろう。だけど、自分のこととなると、そのことがとても苦しく思えてきて、どうにも進むことができなくなってしまう。
自分が思っていたより、臆病で慎重なのかもしれない。辻褄が合わなくなることや、自分に課してしまったことに、とても苦しくなってしまう。このことを考える時、自分の言葉、ぼくの場合、それは、作品になるのだけれど、それはどんな風に生きているのだろう。誰にもふれず、ひっそりと、どこかで生きている。そんな風に考えたりもするけれど、書かずにいられないことと、書きたいことと、それがどこかで生きていることと、どこかで再会してしまうことを、いつも考えてしまう。
ぼくの作品たちへ、きみたちは欠片、きみたちはすべて、そして、過去。いつもなつかしく、だけど、ぼくを追いかけまわす、過去。昨日。余計なことばかり、増えていってしまうね。それをぼくより先にわかっているよね。でも、その時は言わずに、書かせてしまうよね。そのことがわかるのは、ずっと先だから、書くってなんなのだろうね。
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