note27 2024年も終わりますね⑦
今年、リリースされた音楽の中で、よく聴いたのはAdrianne Lenkerです。前作も、昨年出たBig Thiefの作品も大好きで、今年も何度も聴きましたが、新作もやっぱり良くて、いつも聴いていました。
それとは別にダウンロードだけのサプライズリリースとなった『i won’t let go of your hand』もかなり聴きました。
ひとりになること。だれかといること。森のこと。木のこと。葉っぱのこと。土のこと。空のこと。雨のこと。雪のこと。風のこと。耳を澄ますこと。胸に手を置くこと。言葉を休むこと。感情を預けること。そして、また聴くこと。思うこと。あの時の太陽のこと。月のこと。枯れたこと。咲いたこと。潤うこと。飲むこと。食べること。覚えておくこと。
前にもちょっと書いたけれど、今年はジョン・レノンの作品を繰り返し聴きました。ジョン・レノンはとても正直に、その時の自分を表現していた人なんですよね。ふつう、等身大の自分を表現するとか、自分の思ったことをそのまま伝えるとか、で作品をつくると、だいたいがつまらないものになってしまうと思います。というか、そもそも作品にもならないかもしれません。ぼくも、そんな痛い過去というか、現在というか、がいろいろあります。だけど、改めてジョン・レノンを聴くと、どの作品も素晴らしく、そして、どの作品もその時のジョン・レノンだということがわかって、「これって、やっぱりすごいことだよな」と今更ながら考えてしまいました。そして、そのことを、いま、考えることはとても大切なことだと思ったのです。
好きな人とずっと一緒にいたい。ずっと一緒にいたいと思える人を好きになる。あなたを信じたい。あなたに信じてもらいたい。だけど、裏切ってしまう。裏切られてしまう。自分を詰め込み過ぎてしまう。あなたがいなくなる。いなくなると会いたくなる。だから、もう会えない。わがままでいること。あきらめること。声を忘れてしまうこと。体が覚えていること。