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『死』

鼻先から上空までの
あるいは足の裏から地平の彼方までの
果てしない自由と距離感
瞬間の森羅万象に
抱かれ
溶かされてゆく

脳のオシログラフが描く
宝石の如く美しい電気信号の
なぞられる軌跡
あるいは美しい模様が
レーザーのように
まっすぐ最後の歌声を響かせる

耳と舌に別れを告げた
インクの裏の
もう一つの言葉を君に送る
「私」と言う名の望遠鏡が
見渡した世界の
欠片たる光

それは
存在を証明する為に仕掛けた
この世界の輝き

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